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マイナンバー制度の施行で“職場バレ”を恐れるキャバ嬢は辞めたのか?【追跡レポート】

 今年の確定申告も本日が提出期限。会社員にはあまり実感のない話だが、自営業、フリーランスのデザイナーやプログラマー、ライターにとっては慌ただしく憂鬱な事務作業が続く時期となる。  昨年はマイナンバー制度の施行にともない、昼職との掛け持ちキャバ嬢の引退が話題になり、SPA!でも「『職場バレを防ぎたい』キャバ嬢OLがマイナンバーの疑問を聞くべく区役所を訪問」という記事で取り上げた。  あれから1年。昼職とキャバクラという二足のわらじで働く掛け持ちキャバ嬢たちは、夜の世界から消えたのだろうか。取材の結果、意外な実態が明らかになった。

マイナンバーで辞めるキャバ嬢はもういない

「結局、お店(キャバクラ)からマイナンバーを提出しろと言われなかったし、辞めようか真剣に悩んだのがバカらしいです」  こう語るのは、都内の有名私立大学時代からキャバクラで働き、会社員4年目になり今も掛け持ちでキャバ嬢を続ける斎藤綾子さん(仮名・25歳)。 「去年の1月ごろからネットで『マイナンバー制度で、キャバクラで働いていることが職場にバレる』と話題になりましたよね。税理士が書いた記事も見かけたので、お店の子たちと送り合って熟読して、いつ辞めるか相談していました。実際、そのタイミングでキャバクラを卒業した子は多かったです」  綾子さんはちょうどこの時期、昼職の転職活動をしていたタイミングだったため、職場にバレてもいいという覚悟でキャバ嬢を継続。しかしマイナンバー制度が施行されて1年以上経つ今も、店からマイナンバーを聞かれることもなければ、職場バレもしていないという。  キャバクラ以外にも複数の副業をしている池田加奈さん(仮名・27歳)は、数ある副業先の中で、マイナンバーを提出するように言われなかったのはキャバクラだけだったという。 「ライターとして仕事を請け負っている企業からは、去年、マイナンバーを提出してくださいという書類が届きましたが、キャバクラからは何も言われてません。一度、マイナンバーを提出する必要ありますか?とキャバクラの店長に尋ねたところ、『いらないよ』と言われました」

副業はバレなかった

 また、キャバクラ以外の副業先(IT企業)には実際にマイナンバーを提出したものの、その副業がメインの職場にバレることはなかったという。 「同じ論理で言えば、キャバクラにマイナンバーを提出しても職場バレはしないということになります。稼いでいるキャバ嬢は、税務署にバレて未納の税金を支払えと言われるのかもしれませんが……。せいぜい週2出勤の私には関係ないので、これからもキャバクラで働きます」(加奈さん)
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「バレる」うわさが蔓延し、引退ラッシュ
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