日本のフィンランドで本場サウナ体験! 静寂、神聖な空間でただ熱と香りを愉しむ
早速サウナへ行き、ロウリュを開始。焼けた石にヴィヒタ(白樺の束)を浸した水をかけると、「ジュジュ~」という音とともに天井から熱風が降り注ぎ、心地いい森の香りが鼻腔をくすぐります。低い天井、入り口下部に10cmほどあいた通風口がポイントで、タオルを扇がずとも自然に熱風が上部から下部へと循環するのです。
まさに静寂のサウナ、孤独のサウナ。フィンランドにおけるサウナは、薄明かりの中で自然を感じながら入る神聖な場所といいます。ヴィヒタの香り漂う空間でシルクのようにきめ細かい熱を浴びるサウナ浴は、森の教会で行われるミサに近い行為かもしれません。
「石の乾き、薪の量、壁の木の柔らかさを見定めつつ、自分が心地いいと感じるペースでロウリュをする。サウナはガマン大会ではなくて自分が楽しい一瞬を五感で探っていく行為。それがピタッとハマったとき“開かれた”と感じるはずです」(濡れ頭巾ちゃん)
個人で楽しむサウナに決まりごとはありません。石の上でソーセージを焼いて頬張りながら汗を流すことも、“お酒”でロウリュすることも自由なのです。何セットか繰り返したのち、生ビールを石にかけてみます。芳醇な麦の香りがブワーッと広がり、毛穴という毛穴で皮膚呼吸をするかのようにアルコールを摂取します。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1314443
水温0℃。もちろん冷たいのですが、体の芯まで焦がされた貯金効果か、体全体に薄い膜が覆われていくのを感じます。
湖からあがって水気を拭けば、冷えた状態から温かくなろうと、体からオーラのごとく湯気が立ちのぼるばかりでまるで寒くありません。1泊2日で計15セット。本場サウナの味を貪るように堪能する夜でありました。
文/スギナミ 撮影/西田 航(WATAROCK)
「ひっ……開いたっ!」
小屋を飛び出し、向かう先は氷の張った湖。グイグイと中央へ歩を進めて、腰上ほどの深さのところで頭を湖面につけます。
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