「睡眠の質」を追い求めすぎるのは無意味! 「眠くなってから寝る」でいい
快眠を促すグッズや方法は巷でよく見かけるが、そもそも人生の3分の1を占める“睡眠”にはどんな役割があるのだろうか。神経科学者の櫻井武氏はこう解説する。
「まず、睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があります。ノンレム睡眠は『脳の休息』と呼ばれ、脳の働きを低下させたうえで、記憶の強化や脳に溜まった老廃物の除去を行うといった働きがあります。一方のレム睡眠は、脳が覚醒時と同じように活発に活動している状態。この2つの睡眠を交互に繰り返し、快適な翌日のために心身の準備を行うのが“睡眠”です」
精神障害の専門医・三島和夫氏もそのサイクルの重要性を説く。
「どちらか一方だけあればよいというものではありません。2つの睡眠はともに感情と記憶、ホルモン分泌などに関わっており、どちらか一方が不足しても気分の異常や記憶障害、インスリンなどの糖代謝に異常が出てしまうことが研究によってわかっています」
しかし、現代人は望まずして十分な睡眠時間が確保できないこともしばしば。少しでも質の高い睡眠を取る方法はあるのだろうか。
「そもそも、自分ではよく眠れなかったと感じていても、睡眠中の脳波を計測してみると良い睡眠を取れていることはよくあります。その逆も然り。つまり主観と客観には乖離があり、睡眠の質を感覚的に追い求めることにはあまり意味がないんです」(櫻井氏)
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