私も、最初に会ったときの関係がとても重要と思います。あなたの今後の人生に鑑みるならば、彼女との関係は始まったばかりです。次回会ったときに「以前、IT関係の会社に勤めているといったけれど、実は映像関係の仕事をしているんだ」と言って、AVの仕事をしていることを淡々と伝えればよいと思います。 　それで、あなたから逃げていくような彼女ならば、むしろそういう人と結婚することにならずによかったと考えればいいでしょう。彼女があなたを愛しているならば、あなたの職業にはこだわらないと思います。 　生きていくためには、働かなくてはなりません。学校を卒業し、自分の力で食べていくというのは、それだけで立派なことです。どのような職業に就くかは二次的な問題と思います。 　率直に言いますが、私はAVというビジネスがあまり好きではありません。特に社会の構造や作品の権利関係について、よく理解できていない若い女性が、好奇心や経済的魅力からAVの世界に入って、あとで苦労をするような事態をいくつか見ているので、どうしてもこういう形態で他人を搾取、収奪するビジネスには好感が持てません。 　しかし、それはあくまでも私の価値観に基づく評価なので、コバヤシアツシさんが、この仕事にやりがいを感じているならば、その事実に対して私は云々すべきではないと考えています。 　いずれにせよ、人生のパートナーになることを考えている人との間で、仕事に関して嘘をつくのはよくありません。率直に話すことをお勧めします。 【今週の教訓】 職業的なスパイもなるべく嘘を少なくする 【佐藤優】 ’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数 ※『佐藤優のインテリジェンス人生相談』は週刊SPA！にて好評連載中’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数