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稲田防衛大臣の失言より豊田議員の「このハゲー」騒動が大きく報じられることの危機【菅野完】

 このメディアの悪癖は森友事件に限らずあちこちでみられる。  例えば、ほぼ同時期に明るみになった自民党・豊田真由子衆議院議員のパワハラ騒動と、稲田朋美防衛大臣の「自衛隊としてもお願いしたい」失言騒動の、報道のされ方の違いなぞいい事例だろう。  豊田議員のパワハラは確かにショッキングであり許しがたい。一方、稲田大臣の失言は、地味ながらも我が国の民主主義やシビリアンコントロールを根底から覆す極めて深刻なものだ。だがメディアを見渡せば、連日、豊田議員の「このハゲー」が流れている。稲田朋美の失言はわずかに触れられるばかり。ましてやあの失言が如何に前代未聞かつ深刻であり、大臣の資格どころか代議士としての資格にさえ疑義がつくほどの問題であると直截に指摘する姿勢など、ほぼ伝えられることはない。 「わかりやすければいい」「おもしろければいい」という考え方もあるのだろう。しかしそれだけではダメなのだ。本当の危機、本当の問題は、「わかりやすい」話の中ではなく、稲田発言のように「地味な話」のなかにこそ、暗い微笑をたたえて潜んでいるのだ。 【菅野完】 1974年、奈良県生まれ。一般企業のサラリーマンとして勤務するかたわら、執筆活動を開始。2015年に退職し、「ハーバービジネスオンライン」にて日本会議の淵源を探る「草の根保守の蠢動」を連載開始。大きな反響を呼び、同連載をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は発売後ベストセラーになり、第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞の読者賞に選ばれた。 文/菅野完 写真/時事通信社 ※週刊SPA!にて連載中「なんでこんなにアホなのか?」より
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日本会議の研究

安倍政権を支える「日本会議」の真の姿とは? 中核にはどのような思想があるのか?膨大な資料と関係者への取材により明らかになる「日本の保守圧力団体」の真の姿。

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