40代から伸びる男と転落する男は何が違う? <40代からの“伸びしろ”問診票>
チェック表を監修した田中和彦氏は40代の伸びしろをこう解説する。
「40代から伸びたいならば、当然『まだ40代』という意識でないといけません。仮に今40歳なら、新卒からこれまでの時間より、これから65歳の定年までに残された時間のほうがずっと長いんです。つまり40代はサッカーなら前半戦が終わって後半戦が始まったばかり。通常、そんな段階で『前半戦の貯金でやり過ごそう』とは考えないですよね。勝つためにはまだまだ攻めなければなりません」
つまり、チェック表で「はい」が多ければ多いほど“伸びしろ”アリとのこと。伸びる40代の特徴としてさらに重要なのが、「明確な目標を持つこと」だ。
「残された時間のなかで何をすべきか、どう達成すべきかと、長期的、短期的な目標を持って仕事に臨める人はやはり強いです。そのために、40代からでも新たに一歩を踏み出す努力を日頃から怠ってはいけません。私は運命論者ではないですが、人がチャンスを掴めるかどうかは確率論だと考えています。休日は家に閉じこもっている、飲みに行くのはいつもの面子といつもの店というのでは何も起こりようがありません。自ら積極的に人に話し掛けていく姿勢ひとつ持っていれば、チャンスと巡り合う確率も上がるんです。ここで勘違いしてはいけないのは、これまでを捨てて新たな道を切り開けというわけではないということ。これまで培ってきた人脈は、20代の頃にはなかった40代だからこその強みです。過去に得たものはストックしつつ、さらに武器を増やしていくイメージです」
こうした意識の変革だけでなく、働き方にもポイントはあるという。
「働き方でいうと、40代は部署の空気をつくる年代だということも理解すべきです。40代となると個人成績だけでなく部下をうまくマネジメントする要素も求められます。40代が早朝からイキイキと仕事をしていれば年下の社員もその姿につられて、部署全体に活気が出てくるはずです。そうなると結果的に上司の評価が上がり、出世への道筋にも繋がります」
また、世代が異なる人との繋がり方にも差が出るんだとか。
「一番ダメなのは、肩書や立場ありきで接すること。デキる40代は、年下であれ年上であれ、いいと思う部分があればリスペクトする柔軟性を持っています。『これまではこうやってきた』という変なプライドは無駄なだけ。柔軟性を持った考え方ができることこそ、真の意味で若い40代、つまり伸びることができる40代なんです。今、伸びしろが小さいという結果が出たとしてもまだこれから変わっていけばいいだけの話。ひとつずつ改善していけば、必ず現状は好転していくはずです」
【田中和彦氏】
人材コンサルタント。プラネットファイブ代表取締役。転職情報誌編集長、キネマ旬報社代表取締役を歴任。著書に『40歳から伸びる人の習慣』
取材・文/江沢 洋 亀田治五郎 宮下浩純 高島昌俊 森山憲一
― 40代から[人生が好転する男]の特徴 ―
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