41歳地方公務員、出世が消えた異動転落人生――日々更新される専門技術の変化に対応できず…
人生の折り返し地点である40代。サラリーマンの7割が万年ヒラ社員で終わると言われている昨今、会社員として伸び悩む者が大半のなか、40代で人生を好転させる者もいる。同じ40代ながら、両者を分け隔てるものとはいったい何なのか。ここではある失敗例を紹介する。
…比嘉健一さん(仮名・41歳)/地方公務員/640万円→600万円
技術革新は各業界の常で、今持っているスキルが10年後も通用するという保証はどこにもない。
「13年前にIT企業に勤めていたというだけで勝手に期待され、勝手に失望された」と境遇を嘆くのは、地方公務員の比嘉健一さんだ。
「IT企業勤務を経て、28歳のときに市役所に入庁しました。当初はその経歴を買われて、市役所内のシステム構築・管理などを担当。しかし、お役所は3年周期で異動があり、その後は自分の得意分野とはまったく関係ない部署へと異動しました。他部署でもそつなく仕事をこなしていたんですが、今年呼び戻される形でシステム構築・管理の部署へ9年ぶりに復帰。ですが、ソフトが自分の時代とはまったくの別物で、もはや使いこなせるレベルになかったんです」
そのため、「IT出身なのに全然使えない」と陰口を叩かれる始末。専門外でそつなく仕事をこなしていた頃よりも評価を下げてしまったという。
「お役所の人間って、一部の人を除いてネットワークやシステムに関する知識が乏しく、年々技術や使用するツールが変わるという事実を理解していないんです。私の上司もその辺の知識が皆無だったため、査定はガタ落ちです。たまったもんじゃないですよ」
部署内で肩身の狭い思いをするハメになったが、次の異動まではまだ2年半。「毎朝、出勤するのが苦痛でしかない」とボヤく。
「幸いなのは、これが民間企業ではないこと。一応、査定があるとはいえ、ウチの市役所はあくまで努力目標程度にすぎず、収入にはほとんど影響がないんです。もちろん、評価は大きく下げてしまったので今後の出世の道はほぼなくなったと言えますけどね」
定期的な部署異動がある職場に勤める場合は、先を見据えたスキルの更新が必要だということか。
●伸び悩んだ要因
日々更新される専門技術の変化に対応できず撃沈
※写真はイメージです
― 40代から[人生が好転する男]の特徴 ―
かつてのスキルは役に立たず、出世は絶望的
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