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自衛隊の射撃訓練はクレー射撃の選手より撃つ回数が少ない

 さて、クレー射撃のために免許を取り、所定の手続きを踏んで銃を所持したら、警察に行って弾を買う許可をもらいます。最初に許可される弾の数は警察判断ですが、概ね800発程度と聞いています。その800発を使い切り、次の銃弾を買うという流れになっています。800発を短期間に使い果たして警察に行った場合、警察の担当者がどう言うか想像できますか? 「ああ、よく射撃練習していますね。では次は1200発買う許可をあげましょう」と言ってくれます。大会に出る選手になると射撃技術が落ちないようにきちんと練習するので、弾はあっという間になくなります。  高齢者でも2ゲーム50発ほどは毎週ゲームするのです。すごいですね。ライフルとショットガンでは精度にかなりの違いがあるので、同列に話をすべきではないですが、スポーツで競技射撃を行う人ですら、それくらいの頻度で射撃練習をしているのです。  射撃も繰り返し一定間隔でたくさん訓練した方がいいのは当然のことです。  友人にアリゾナの射撃競技で優勝した人物がいますが、一週間ほどで3000発ほどの射撃練習をしたそうです。やはりどんなものでも練習の数は必要です。  ほとんどの自衛隊員が十分な射撃訓練ができない理由は、予算不足で弾や射撃練習場が足らないということもあります。しかし、隊員が様々な仕事を抱え、その上に災害派遣などが重なるとその分時間がとられてしまい、訓練に要する時間が吹っ飛んでいくことも大きな要因です。自分の銃を調整していく中で、その銃と自分自身の体をなじませていくものです。射撃訓練を繰り返し行うなかで自分の調整時の癖を知り、正確さを上げていくのですが、射撃訓練はこれで十分なのでしょうか?   ハンドガンとちがってライフルの精度は優秀です。ほとんどの隊員が64式・89式小銃を使って射撃訓練を行なっていますが、その名前の由来をご存じでしょうか? 1964年正式採用、1989年正式採用からなのです。つまり、かなりの旧式です。まあ、世界で最も使われているAK-47が1947年ですから、それよりはずーっと若いと言えば若いのですけどね。単純なAK-47は油と布さえあればメンテナンスができますが、米国のM-4のような最新式はそうはいかない。単純であることの利点はそういうところなのですが、照準器などの付帯する装備が古いままだと調整にも時間がかかりすぎるのではないかと思います。スコープの話はさらに深刻なのでまた別の機会にするつもりです。  もちろん必要な訓練は射撃だけではないのですが、射撃訓練にかける予算も時間も個人のスポーツ射撃選手よりも少ないのはいかがなものかなーと思います。  クレー射撃で銃の免許を持っている人が、仮に1年間数十発しか弾を使わなければ警察に「そんなに撃たないなら、免許を返上したらどうだ?」と肩たたきされます。不要な銃所持は認めないからです。「そんなにクレー射撃ゲームの練習しないのなら免許はいらないでしょ?」とか「そんなに害獣駆除に使わないなら免許はいらないでしょ?」というレベルに(海上・航空・音楽隊など)自衛隊の一部の人たちの拳銃訓練頻度が合致しちゃうのです。  またしても、「こんなんでええのん?」と感じます。ちゃんと訓練できるような「軍」にしてもらいたいものです。<文/小笠原理恵>おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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