前田日明 時空を超えて無限大につらなる輪RINGSのひとつめの輪――フミ斎藤のプロレス読本#155[前田日明編・後編]
アリーナ正面のステージ上にはリングスのロゴを中心に日本、ロシア、グルジア(ジョージア)、オランダ、ブルガリア、リトアニア、アメリカ、オーストラリア、イギリス、ブラジルの10カ国の国旗がディスプレーされていた。
「えー、リングスは今回の大会をもちまして、一時、興行活動を休止します。えー、興行形態を刷新し、またみなさんのまえに戻ってきます」
きわめて短いセンテンスでまとめられた前田からのメッセージはどこかそっけなかった。髪は後ろのほうがややボサボサで、赤いブレザーの下は黒のルースフィットのパンツ。足元は革靴ではなくて黒地のスニーカーだった。
もうちょっとビジュアルに気をくばってほしいような気もするけれど、この自然体がまた前田らしさなのかもしれない。
前田は群れない。群れないから、仲間や弟子たちが去っていって、最後にはいつも独りぼっちになってしまう。孤独になればなるほど、前田はもっともっと前田らしくなる。
ぼくたちの世代のヒーロー、前田日明の『放浪の章』がいまはじまる――。
※文中敬称略
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文/斎藤文彦
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