「1.4東京ドームは横綱相撲で勝たなければいけない」エース棚橋弘至の胸中――小橋建太の青春おすそわけ#17<棚橋弘至vol.4>
――映画の前に、1.4東京ドーム大会があります。意気込みは?
棚橋:僕の相手はジェイ・ホワイトっていう外国人選手なんですけど、ヤングライオンで海外に行ってて、凱旋帰国でいきなりインターコンチのタイトルマッチです。ニュージーランド出身なんですけど、背が高くて、カッコよくて、体も動きもいい。
小橋:「カッコよくて」のところに、力が入ったね。
棚橋:むちゃくちゃカッコいいんですよ。ハリウッドスターみたいな顔してます。
小橋:ちょっとムッとした。
棚橋:そこは譲れない。いい加減、譲れって話ですよね(笑)。
小橋:まだ41歳なんだから、譲っちゃダメだよ。いつまでも張っていてほしい。
棚橋:僕に足りない部分かもしれないですね。
小橋:足りないとか、ないよ。よく言うわ(笑)。
――ジェイ・ホワイト選手は、いきなりタイトルマッチが組まれるほどいい選手なんですか?
棚橋:それだけ海外での評価が高かったということだと思います。そうじゃないと、東京ドームの後ろの試合順にはなかなか組まれないと思うので。けど、僕は横綱相撲で勝たないといけないかなと思ってますね。
小橋:それをみんな期待してるよね。棚橋君はエースとして、見てる側の安心感がある。
棚橋:ドームでもエースとしての闘いが求められるということですね。いい選手だと思うんですけど、ネームバリュー的にまだ知らない方が多いので、いかにこっちに注目を集めて、こっちのプロレスを展開するかですね。ドームは小さい会場と違って歓声がワンテンポ遅れて届くので、試合のリズムがまた違うんですよね。
小橋:日本ではあんまり知られていない選手かもしれないけど、そこにタイトルマッチを組まれた意味を考えると、棚橋君はプレッシャーだと思うよ。
棚橋:プレッシャーでしかないです。けど、小橋さんがおっしゃったようにプレッシャーを楽しみます。今日、僕は進化しました(笑)。
――最後に、お二人の来年の抱負を教えてください。
小橋:俺は、青春をばく進すること。Fortune Dream(※小橋主催の興行)には、棚橋君に出てもらう。……まあ、それは言い切れないけど(笑)。
棚橋:謎のマスクマン「オレンジクラッシュ」として? 柑橘系レスラーですね(笑)。
小橋:オレンジクラッシュっていうレスラーが生まれたというだけで、今日は嬉しい気分だよ。さすが棚橋君だよね。対談の中でも、なにかを生んでくれる。棚橋君、来年の抱負は?
棚橋:新日本の中心を作りたいですね。いま、オカダが巻いているIWGP。ここにいかに近づいていくかっていうことだと思うんですけど、もう1個、話題を作っちゃうほうが早いんじゃないかなと。いっぱい軸があったほうがプロレスは面白いので。棚橋を中心とした、大きな渦を巻き起こします。インターコンチの闘いに意味を持たせていくことだったり、小橋さんを引っ張り出してもいいと思いますし。オレンジクラッシュが登場するかもしれないし(笑)。
小橋:棚橋君は、頭の中にいろんな絵を描いてると思う。それを具体化していけば、面白くなっていくよね。
棚橋:僕、言ってしまったからにはやるしかないっていう感じで、自分を追い込んでいくので。
小橋:とりあえずマスクだけ作るか。
棚橋:ジューシーなやつを(笑)。
小橋:また棚橋君と対談したいな。俺も元気をもらえるから。新しい出会いっていうのかな。すごくリフレッシュされる。
棚橋:ここ2~3年、小橋さんにお会いできなかったので、エネルギーレベルが低下してたんですよ。今日また、マックスになりました。短いスパンで小橋さんに会いたいです。今度、「棚橋こうだった」っていう報告の対談をぜひ。定期化しましょう。
小橋:棚橋君とクイズ番組に出たいんだよね。棚橋君、頭いいからさ。ぜひまた対談だけじゃなくて、来年いろいろとやっていこう。
棚橋:はい! ありがとうございます!
(了)
【PROFILE】
●棚橋弘至(たなはし・ひろし)
新日本プロレス所属。’76年11月13日、岐阜県大垣市生まれ。’99年4月、新日本プロレス入門。同年10月、真壁伸也(現・真壁刀義)戦でデビュー。IWGPヘビー級をはじめ、IWGPインターコンチネンタルなど多くのベルトを巻く。’16年、ベスト・ファーザー イエローリボン賞(スポーツ部門)、ベスト・ネクタイスト賞を受賞。’18年、映画『パパはわるものチャンピオン』公開予定。著書に『全力で生きる技術』『史上最強のメンタルタフネス』などがある。Twitter:@tanahashi1_100
●小橋建太(こばし・けんた)
(株)Fortune KK代表取締役。’67年3月27日、京都府福知山市生まれ。’87年6月、全日本プロレスに入団。“プロレス四天王”と呼ばれるレスラーの一人。2000年6月、プロレスリング・ノアに移籍。’03年3月、GHCヘビー級王座獲得。13度の防衛に成功し、“絶対王者”と呼ばれる。’06年6月、腎臓がんが発覚するが、2007年12月、奇跡のプロレス復帰を果たす。’13年5月11日、引退。現在はチャリティーや講演会など、幅広い活動を続けている。Twitter:@FortuneKK0327
構成/尾崎ムギ子 撮影/橋本一美
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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■「WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム」
http://www.wrestlekingdom.jp/
【開催日】2018年1月4日(木)
【開場時間】15時30分
【開始時間】17時00分
【会場】東京・東京ドーム
■高山善廣選手応援「TAKAYAMANIA」の募金は小橋建太・FortuneKKでも受け付けております。
500円から募金を受け付けております。皆様からお寄せいただいたお気持ちは小橋建太が責任を持って全額高山選手にお渡しいたします。
https://tsuku2.jp/ec/viewDetail.php?itemCd=06950341210790
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