やはり駅弁の王様!「新作ウニ弁当」三つ巴の戦い<53回駅弁大会実食リポート>
―[53回駅弁大会実食リポート]―
連日盛況となっている冬の風物詩「第53回元祖有名駅弁とうまいもの大会」。ワイドショーなどの露出も増えたせいか、会場内は汗ばむほどの人でごった返している。
前回の「新作牛肉駅弁対決」では大ボリュームの肉駅弁に舌鼓を打った記者だったが、今回はもうひとつの対決企画「人気の海鮮、ウニ対決」で大々的にフィーチャーされている新作ウニ3弁にチャレンジする。
駅弁と言えば「海鮮」が王道であったが、昨今の肉ブームで、駅弁大会の肉系と海鮮系の比率は5:5となっていると言う。そんななか、肉系の代表が「牛肉」だとしたら、海鮮系の王様は「ウニ」。そのオレンジ色は、プリン体の摂取に及び腰になる中年の記者をも虜にしてやまない。
ウニ対決の先鋒は、福島県は小名浜からやってきた「うに貝焼き食べくらべ弁当」(福島県 常磐線 いわき駅/1380円)。実演販売初登場の「小名浜美食ホテル」が製作した、豪快な逸品だ。
掛け紙を取ると目に飛び込んでくるのは「オレンジと赤」。酢飯の上にびっしりと敷かれたウニとイクラの鮮やかなこと! 大粒のウニの奥には、貝殻にこんもりと盛られた貝焼きウニ。ホッキ貝の貝殻にウニを盛り付け、蒸し焼きにしたインパクト大のそれは、いわきの郷土料理だとか。
箸でウニの小山を崩し、ペロリとひと舐めすれば、口中一杯に広がる磯の香り。弁当にありがちな“ミョウバン臭さ”は一切なく、これぞウニ本来の味。貝の周りを埋め尽くしているのは蒸しウニ。こちらはねっとりと濃厚、あっという間に舌の上で溶けていく。その感激をイクラで追いかければ、至福。ガリと酢飯がアクセントとなるため、どんどん食べ進めることができる。
次鋒はウニの一大産地、岩手県からやってきたのは「香ばし海苔とうにごはん」(岩手県 東北本線 一ノ関駅/1100円)。
素朴な掛け紙を外す前から、鼻腔を襲っていた“磯の香り”。掛け紙を外すと、オレンジと緑の見目麗しいコントラスト。海苔とわかめの佃煮の絨毯の上にこんもりと盛られた蒸しウニ。イクラと玉子がオレンジをさらに引き立てる。
弾力のある蒸しウニをひと口、程よい塩気が海を感じさせる。ウニの殻を模したという海苔と、すき昆布とウニを炊き込んだゴージャスなご飯を一緒に口に放り込む。どっと押し寄せる磯の香り。箸休めのわかめの佃煮はしそ風味、山ごぼうの醤油漬けのコリコリ感、その変化が実に楽しい。さすが120年の歴史を持つ調整元の駅弁だけある。
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【第53回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】
1月10日(水)~23(火)
京王百貨店新宿店7階大催場
午前10時~午後8時 ※17(水)は午後5時、23(火)は午後6時閉場
https://www.keionet.com/info/shinjuku/ekiben2018/index.html
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