「新卒で入社した会社に未来がなさそうです…」23歳の新入社員は転職すべき?
【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!
◆新卒で入社した会社に未来がなさそうです
まりす(ペンネーム) 会社員 男性 23歳
新卒で入社した会社に未来がなさそうです。現在の売上は十数年前の半分以下であり、年々仕事を他社に奪われているのに、部署のトップが権力争いをしており、社長はそれらを気にしていないそうです。
会社がつぶれた場合、私はほかでやっていける気がしません。私が学生時代に何も頑張ってこなかったため、就活で50社ほど落ちてやっと拾っていただいた無能だからです。さらに、営業マンとして成長できるかわからないからです。(失礼ですが)新卒で入社した上司たちもおそらく無能で、それは中途の方が口を揃えて、ここは甘すぎる、つぶれても誰も拾ってもらえない、と言っているからです。
私は、ほかでも食っていけるように成長したいです。どうしたらいいでしょうか?
◆佐藤優の回答
まず、第一にお勧めなのは、現在の会社を5年間は辞めないことです。あなたは自分の会社を無能者の集団と思っていますが、そういう会社は長期間存続しません。10年以上続いている会社なのですから、さまざまな問題があるにしても、その会社には基礎体力があります。入社から5年くらいは、いわば見習いのようなもので、あなたの会社への貢献よりも、あなたが受け取る賃金や福利厚生のほうが大きいというのが現実です。
自己の能力を過大評価して会社を辞めても再就職は難しいです。経済ジャーナリストの荻原博子さんがこんな指摘をしています。
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ここでは主に、お金の自立について考えてみましょう。
なぜ、こんなことを書くかといえば、「子どもが家にいて、働かずに困っている」という人が増えているからです。一緒に暮らしていてもいいですが、せめて自分の食べる分くらいは自分で稼げる子ども、経済的に「自立」した子どもでなければ、親が面倒を見なくてはならなくなってしまいます。(中略)内閣府の「子供・若者白書」(平成29年版)によれば、15歳から39歳までの若年無業者の数は、2016年は約77万人。この世代の人口の2.3%が無職者となっています。
この中で、まったく家から出られない人から、普段は家にいるが近所のコンビニなどには行ける人まで含めた、広義の意味での「引きこもり」といわれる人は、約54万人。
さらに、大学を卒業して一時的に仕事についたけれど辞めた人と、進学も就職もしていない人の数は約6万人。卒業者の10.6%が、せっかく大学を卒業しても働いていないということ。つまり、10人に1人は職についていないということになります。
(『老前破産――年金支給70歳時代のお金サバイバル』164~165頁)
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’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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