話題作『北斗が如く』は、新しいコラボの扉を開けるか?
はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。ウェブサイト「ディファレンス エンジン」ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
物語は、ケンシロウが南斗孤鷲拳の伝承者・シンを激闘の末に倒した「サザンクロス編」の終わりから始まります。シンからユリアの死を告げられ、荒野をさまようケンシロウ。しかし、ユリアが生きていると耳にしたケンシロウは、噂を頼りに「エデン」にたどり着きます。そこは、謎の施設によって電気と水がもたらされる世紀末世界とは思えない歓楽街でした……。
バトルは基本的に『龍が如く』を受け継ぎ、「□」と「△」ボタンでコンボがつながる初心者にも遊びやすい作りです。「○」ボタンで秘孔を突き、画面に指定されたコマンドを成功させて「北斗百裂拳」などおなじみの奥義を放てるのは『北斗の拳』ならでは。「ひでぶっ」など断末魔の悲鳴が文字として出現し、それを拾って殴る「ひで武器」といったユニークなシステムも搭載されています。
エデンとその周辺では、バイクに乗って突進してくるモヒカンライダーをフルスイングで打つバッティングセンターならぬ「デス・バッティング」や、ナイトクラブで黒服となり、治安と売上を守る「黒服ケンシロウ」などミニゲームも豊富。なかでも古代の遺物であるセガ・マークⅢ版『北斗の拳』や、『ハングオン』『アウトラン』といった懐かしのセガゲームを発掘して実際に遊べる要素は、レトロゲーム好きにはたまりません。
今回の『北斗が如く』が売上的に成功すれば、『○○が如く』というコラボ作品が続いていくのは確実でしょう。『北斗が如く』は新たなコラボの扉を開ける試金石の意味合いも持っているはずです。秀逸なゲームシステム、ゲームデザインを応用し、そこに人気のキャラクターを乗せるという手法は、コーエーテクモゲームスの『無双』シリーズでも見られます。
『龍が如く』も、歓楽街を舞台にするという意味で『ルパンが如く』『シティーハンターが如く』『キャッツ・アイが如く』といった方向性がすぐに思い浮かびますし、『両津が如く』なんかも面白そうですね。『無双』や『如く』だけではなく、今後、定番のゲームシリーズがアニメやマンガとコラボする動きが強まっていくかもしれません。
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【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲームの紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。著作には『1
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