更新日:2022年12月10日 18:52
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90年代に一世を風靡したクレーンゲーム(UFOキャッチャー)ブームが今再燃している3つの理由

ゲームコラムニスト・卯月鮎の絶対夢中★ゲーム&アプリ週報

ゲームコラムニスト・卯月鮎

卯月鮎

「クレーンゲーム」が一大ブームとなったのは、バブルの余韻が残る90年代前半。普段はゲームセンターに行かないような女性客やカップルをも取り込んで社会現象となりました。ちなみに「UFOキャッチャー」はセガの登録商標になります。  あれから四半世紀、今やクレーンゲームは過去のもの……と思いきや、ここにきて再び脚光を浴び始めているのです。クレーンゲーム復活の理由はどこにあるのでしょうか。

理由その1 ファミリー向けゲームセンターの人気

 昭和の頃のゲームセンターといえば、駅近くの雑居ビル内にあって、暗くてちょっと怖い場所というイメージがありました。しかし、最近は清潔感のある大型店舗や、ショッピングモール内に入居するファミリー向けゲームセンターが主流となり、ゲームセンターが親子で遊べる場として認識され始めています。  そうしたなかで、90年代初頭のクレーンゲームブームのメイン層が親となり、今度は子供と一緒にクレーンゲームを楽しむようになりました。イオン系列のファミリー向けゲームセンター「モーリーファンタジー」を運営するイオンファンタジーは23か月連続で前年売上を上回る好調ぶりですが、その柱のひとつとなっているのがクレーンゲームを中心としたプライズゲームです。ゲームセンターのイメージの変化と、約25~30年という世代のサイクルがクレーンゲームの追い風となっています。

セガのクレーンゲームには「UFO CATCHER」の文字が

理由その2 YouTube動画の影響

 雑誌やテレビが取り上げなくても、YouTuberが紹介したことで一気に売上が伸びる商品も増えてきています。クレーンゲームも同様で、YouTuberがクレーンゲームに挑戦するという企画は人気のジャンルです。「クレーンゲームの台数が世界一」という「ゲームセンターエブリデイ行田店」には数々のYouTuberが訪れ、その動画を見た視聴者が観光名所のように「エブリデイ行田店」を詣でるという動きも起きています。

左側はセガのUFOキャッチャーで右側はナムコのクレーンゲーム

 クレーンゲームは取れそうで取れなかったり、逆に取れなさそうに見えてもテクニックで簡単に取れたりと動画映えするコンテンツ。YouTube動画を見て自分でも試してみたいという視聴者は多いでしょうし、動機の喚起につながっています。
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ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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