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東京五輪を守る日本のAI技術。不審者検知から迷子の対応まで

 同社が自社開発する顔認証技術の精度は、米国立標準技術研究所から「世界で唯一99%以上」というお墨付きを得ており、160万件の画像から、顔を認証して特定するのに要する時間はわずか0.3秒。通常環境に加え「ペイント・整形などによる顔の変化」「障害物による顔の見切れ」「多人種」「低解像度」にも対応できる。映像データから人々の動きを予測する「群衆行動解析技術」も持ち合わせているが、これらは一般的には「画像認識AI」「行動検知AI」と呼ばれているものだ。  こうした技術を組み合わせ、すでに同社は海外で成果を上げている。アルゼンチン・ティグレ市に導入された街中監視システムでは、5年間で車両盗難を80%減少させた。またインド・スートラ市警察に導入されたシステムは、犯罪発生率を27%低下させ、約150の事件解決に寄与したという。 「’17年に英国で行われたサッカーUEFAチャンピオンズリーグで、地元警察が弊社システムを導入し、会場で撮影された映像と、約50万枚の容疑者・要注意人物の写真データをリアルタイムで照合し、高速かつ高精度に人物を特定することに成功しました」  一方、プライバシーや個人情報に関する世間の心配についてはどうか。 「昨年より専門部署を設置し、法令遵守はもちろん、弁護士も交えてプライバシーや倫理などの諸問題に対応しています。監視ではなく、『見守られているから安心』と皆さまに思っていただけるよう、取り組んでいきたい」  海外でパブリックセーフティのシステム導入が進むのは、実際に犯罪や事故が減り、市民は「見守られている」と実感できるからだ。東京五輪が成功すれば、日本でもそうした認識が浸透していくだろう。 ― AIに[都市の安全]は守れるのか? ―
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