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日本は“街の安全を守る「パブリックセーフティ」”に消極的!? 海外では導入が進んでいるのに

 最近、にわかに注目を集めているのが「パブリックセーフティ」という言葉だ。AIやロボットなど最新テクノロジーで街の安全を守ろうという試みで、すでに海外では導入が進む。日本でも’20年の東京五輪を前に実証実験が始まっているが……

「MWC 2018」でもパブリックセーフティがトレンドになっていた!

防犯カメラ 2月末にスペインで開催された、世界最大のモバイル&通信技術展示会『モバイルワールドコングレス2018』(以下、MWC)。目立っていたのは5Gを強調するブースだった。現地を訪れた『ロボティア』編集長でAIに詳しい河鐘基(ハジョンギ)氏はこう証言する。 「大量のデータを学習することで精度を発揮するAIの成長にも追い風となるため、世界の大手通信会社がこぞって宣伝していました。そんななか、5Gとパブリックセーフティをコンセプトにした展示で目立っていたのが韓国最大の通信事業者・KTです。同社は『ギガアイズ』という知能型映像セキュリティソリューションを大々的に紹介していました。こちらは、俗に言う『AI防犯カメラシステム』と言い換えても差し支えないでしょう」  ギガアイズは、防犯用カメラから送られてきた映像を保存・分析し、利用者に高解像度モニタリングを可能にするシステム。リアルタイムで状況を見守り、異常が発生するとすぐに通知してくれる。AIが分析するのは、「侵入監視」「人数カウント」「滞在時間分析」「カメラの既存感知」となっており、防犯カメラシステムと分析結果を一式で販売するビジネスモデルが採用されている。すでに韓国内の大規模施設や自治体でも運用が始まっているという。  一方、日本のNECは、自社開発した「顔認証システム」と、「顔認証ゲート」のモデル製品を展示。同社の顔認証技術は世界屈指の精度を誇っており、東京五輪を契機にパブリックセーフティビジネスの開拓に拍車をかける構えを見せている。
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中国・ファーウェイは世界200都市に納入
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