茶番だらけの就活…“ずる賢い学生”が受かる時代はいつまで続く?
就職ナビサイト中心の就活に対しては、見直す時期に来ているとの声もある。教育社会学者の福島創太氏が指摘する。
「ナビサイトは、ボリュームゾーンである中堅企業と中堅大学生同士のマッチングには効果的ですが、優良企業にはナビがなくても志願者が集まるので、あまり意味がないのです」
本田氏もこう続ける。
「ナビサイトは、学生と企業それぞれに『多数の選択肢のなかから選べる』という幻想を振りまいてきましたが、それは両者とも疲弊させる結果を招きました。最近では、バブル期に盛んに行われたような、サークルのコネ等を利用した“一本釣り方式”(リファラル採用)への回帰も見られます」
理想の就活とは何なのか。企業と学生の模索はこれからも続く。
【本田由紀氏】
東京大学教授・社会学者。’64年、徳島市生まれ。東京大学大学院教育学研究科教授。専門は教育社会学。著書に『教育の職業的意義』(ちくま新書)、『若者と仕事』(東京大学出版会)ほか多数
【福島創太氏】
教育社会学者。’88年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、リクルート入社。「リクナビNEXT」の開発などに携わる。退社後、東京大学大学院教育学研究科を修了し、同博士課程に在学中
取材・文/西谷 格 辻本 力 山野祐介 行安一真(本誌)
― 就活[売り手市場]のバカ騒ぎが止まらない ―
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