更新日:2022年12月26日 01:24
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天皇賞(春)は“穴を買い切る勇気”が勝利を呼び込む 今年は大荒れ注意報!

京都競馬場直線

京都競馬場直線 ロス無く直線を迎えられる馬は?

デムーロの神通力は天皇賞ではきかない!?

 このように実力的には見劣りする馬が有利を受けて激走→波乱となる天皇賞(春)ですが、波乱の要素はほかにもあります。  まず、騎手だけで人気を集めるデムーロ・ルメールの両外国人騎手の神通力が通用しづらい舞台であるという点。総じて欧州の外国人騎手はパワフルな騎乗が持ち味ですが、3200mという長距離戦においては、日本人騎手の馬に負担をかけないソフトな騎乗が結果に繋がります。過去には松岡騎手、石橋騎手、武幸四郎騎手らが穴をあけた実績があり、今回も騎手面で人気の盲点となりそうな藤岡佑騎手(ガンコ)、三浦騎手(クリンチャー)など中央GⅠ未勝利騎手にもチャンスが到来しそうです。  また、伝統の一戦ということで、堅実な実力馬に人気が集まり、勢いのある上がり馬が人気しづらいという点。2014年に12番人気で3着に入ったホッコーブレーヴは前走・日経賞で2着。2011年の勝ち馬ヒルノダムールは前走・大阪杯で勝利していながら7番人気。2009年の勝ち馬マイネルキッツも前走・日経賞2着ながら12番人気。今回は、前走・日経賞2着のチェスナットコートが、人気の盲点となる気配がしています。  最後に、今回の天皇賞(春)はレイデオロ、スワーヴリチャード、アルアインといった強い4歳世代のスターホースが出走していないこそも、波乱の予兆と感じさせます。  以上のように、今回も波乱の歴史に新たな1ページが加わりそうな天皇賞(春)。だからこそ、“有利を受けて走る馬”を見極め、人気や印がなくても買い切ることが重要になります。  大胆なことを言いますが、競馬において「穴馬を見つけること」はそう難しいことではありません。難しいのは、そこにお金を投じて「穴馬を買い切ること」です。 「来るかもしれないと思ってたんだよな」、「怖いと思ってたんだよ」  そう愚痴をこぼしながら、人気馬の馬券を握りしめて後悔するのが典型的な負けパターン。そこから脱却して回収率を上げるには、“買い切る勇気”が必要です。そして、“買い切る勇気”を持つためには、たしかな理論と哲学を養い、自分を貫くこと。  競馬に絶対はありませんから、勇気を持って買い切っても、大ハズレとなることもあるでしょう。しかし、そこでブレてしまうことが一番危うい。「このレースは荒れそうだな」と予想したのであれば、その予想・哲学に従って、自分を貫き続けることです。  主役不在の今回の天皇賞(春)、おそらく荒れるだろうと僕は見ています。
チェスナットコート

許波多特別を戸崎圭太騎手で勝ったチェスナットコート。内枠2番と絶好の枠を引いた。波乱を起こすか

 その立役者となりそうなのが、日経賞2着で内枠に入り、京都外回り実績もあるチェスナットコート。さらなる穴を求めるなら、例年通り内有利の馬場になれば、京都外回り勝利実績(日経新春杯)があり最内枠に入ったミッキーロケット、枠は微妙ですが、京都大賞典を制しており長丁場の適性が高いスマートレイアーも面白そうです。この2頭は冷静に検討すると買えない馬ですが、過去の天皇賞(春)ではそうした常識では考えられない馬が、有利のアシストを受けて激走しています。  自分の理論・哲学・予想を貫き、“買い切る勇気”を持つことが、競馬収支のプラスとマイナスの分岐点です。その点で今回の天皇賞(春)は、大ハズレを恐れず、思い切って狙ってみる価値のある一戦だと、僕はワクワクしています。  TARO氏の予想はブログ「TAROの競馬」でも発表する予定だ。GWの資金を天皇賞でガツンと稼いでみてほしい。 構成/宮下浩純 長谷川大祐(週刊SPA!)
日刊SPA!編集。SPA!本誌では谷繁元信氏が中日ドラゴンズ監督時代に連載した『俺の職場に天才はいらない』、サッカー小野伸二氏の連載『小野伸二40歳「好きなことで生きてきた~信念のつくり方~』、大谷翔平選手初の書籍となった『大谷翔平二刀流 その軌跡と挑戦』など数多くのスポーツ選手の取材や記事を担当。他にもグルメ、公営競技の記事を取材、担当している
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