深夜に仕事LINEをバンバン送ってくる上司。“自宅でサービス残業”にウンザリ
せっかく休日にくつろいでいるのに、仕事のメールが来てイヤ~な気分に――。昨今、「勤務時間外のメール」が世界的に問題になっている。
たとえばフランスでは、2017年1月1日、「オフラインになる権利」を認める法律が施行された。これは、勤務時間外にメールや電話で連絡しないよう、労働者が企業に交渉する権利を定めた法律だ(従業員50人以上の企業が対象)。
だが、日本ではまだ、上司の休日メールを無視できないのが現状だ。
小規模な不動産コンサル会社に、24歳の時に転職した村上真美さん(仮名・31歳)。ワンマンなベンチャー社長(40代)が、夜中にLINEでビジネスアイデアを送ってくることに、困り果てた日々を語る。
「10人以下の小さな会社で、直属の上司といえば、社長でした。ちょっとしたことで烈火のごとく怒り狂うのは日常茶飯事。平日夜中の1時過ぎでも思いついたことは即LINEで送りつけてくる。休みの日にもLINEでアイデアが浮かんだと言って思い付いたことをバンバン送ってきて、それに対して30分以内に返信できないと、『何のための携帯なんだ?』と、また怒るんです」
ため息まじりで振り返る村上さん。社長は40代で、元R社の人材のヘッドハンティング部門の幹部。南国出身のギラギラしたタイプだったという。
村上さんは、もともと面識があったこの社長に誘われて、24歳のときに転職した。
「アイデアを提出してくれれば、社長である自分の判断で実現しやすくなるよ、と誘ってきたんです」
ところがいざ入社すると、本業の不動産とは関係ない制作系の部署に配属され、カタログや広告撮影、パッケージデザイン等の仕事をすることになった。また、新規事業として、老人ホームの紹介サイトを立ち上げようとしていて、それも村上さんの仕事になった。
「紹介サイトを立ち上げて運営するためには、もっと人材が必要だということを、社長が理解していないんです。だからすぐにポシャリました。思いついたことをすぐに形にしないと気が済まないタイプ。昼でも夜でも、思いつきを誰かに喋りたい人なんです」
村上さんが平日に帰宅するのは、毎晩深夜の1時ごろ。入浴してからソファでくつろいでいると、社長からバンバン、LINEが届くのだという。
「LINEの文言は、決まって『名案が浮かんだ!』です。そして『こんな感じのビジネスモデルが浮かんだ。どうだろう』、さらに『うちの会社、儲かっちゃうねー♪』と、自分のアイデアに酔っているんです。
ものすごく迷惑だったのは『明日までにこのアイデアの情報を探ってみてくれ』。明日って、数時間後、ですよ。私に寝ずに調べろというんでしょうか」
思いつきを連日LINEで送ってくるワンマン社長
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