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W杯、日本戦は「3-0だ!」 コロンビアサポーターが怪気炎、赤の広場はお祭り騒ぎ

 14日から始まった、サッカーロシアワールドカップ。世界最大の祭典がロシアの10都市、11のスタジアムで開催されている。  16日(日本時間)には優勝候補の一角、ポルトガルとスペインが初戦でぶつかり、3-3の死闘を繰り広げたり、昨日は初出場のアイスランドが優勝候補アルゼンチンと引き分け歴史的な勝ち点1を挙げたりと早くも素晴らしい戦いが繰り広げられている。  前回’14年のブラジル大会に続いて、現地取材を敢行する記者。初めてのロシアリポートを日本代表のグループリーグ3戦に帯同しつつ、現地の情報をお送りします。

モスクワの盛り上がりは?

シェレメチェボ空港の装飾は大人しめであった

 昨日、成田からの直行便、乗客の約6割が青いユニフォームを纏った日本人サポーターとともに、モスクワに降り立った記者。モスクワの空港に着くや、各国のサポーターやそれを歓迎する装飾に否応がなしにテンションが上がる。  モスクワの中心部、ボリショイ劇場の近くに宿を取った記者は、荷をほどくと、徒歩圏内である「赤の広場」へと出かけた。

本当に建物が赤い「赤の広場」

代表的な建築「ポクロフスキー聖堂」(右奥)への道は封鎖されいたが、美人婦警さんにしばし見とれる

 テレビなどでお馴染みの巨大な広場は、人人人……。そのほとんどがユニフォームを着て、観戦者全員が携帯を義務付けられている「FANID」を首から下げている人たちだ。モスクワではこの日、アルゼンチンとアイスランドの試合があったので、アルゼンチンのユニフォームを着た人が目立つ。翌日には前回優勝国のドイツとメキシコのゲームもあるので、メキシコの緑も多い。皆、大はしゃぎで最も有名な観光地で記念撮影を楽しんでいる。  そんななかひときわ目立つ色がある。黄色……と言ってもカナリア色のブラジルではない。19日に日本とサランスクで初戦を戦うコロンビアサポーターである。4年前は1-4と完敗した相手。ブラジルでは、記者自身も「ユニフォームくれくれ攻撃」や「ジャポン0!コール」に煮え湯を飲まされた、因縁の相手だ。  同大陸のブラジルならわかるが、彼らからすれば「遥かロシアの地」。されど明らかに大量の黄色が赤の広場を染めている。そんななか30人ほどの団体が「コーロンビア!コーロンビア!」と声を上げ、国旗を振っている。人だかりに近づいてみると、コロンビア本国のテレビ局のリポーターが彼らにマイクを向けている。  微笑ましく聞いていると彼らから聞き捨てならない発言が。

どのサポーターよりも元気がいい、コロンビア人

リポーター:「初戦はどうなる?予想して!」 サポーター:「3-0だ!」(ウォ~!と周囲から掛け声) リポーター:「誰が点を獲る?」 サポーター:「ハメス、ハメス、……誰か!」(周囲は大爆笑。すぐにそして「コーロンビア!コーロンビア!」の大合唱)  前回同様、日本との戦いを「3-0」と予想する彼ら。前回大会の得点王、エースのハメス・ロドリゲスが前回大会同様2点を取るという。一瞬そこに割り込んでやろうかとの邪な心もよぎったが、拙いスペイン語力。たった一人のアホのせいで、日本代表サポーターに恥をかかすことはできぬと、握りこぶしを固めるにとどめた。

最大勢力と言ってもいいコロンビアサポーター。日本人たちも集結して「赤の広場」を青く染めてほしい

アイスランドサポーター。チームは初出場ということもあってか、大人しめ

コスプレ姿のメキシコサポーター

今回は出場とはならなかったが、トルコ人も集結

 その後もコロンビアサポーターは、飲み屋街、地下鉄の駅、あちらこちたで同時多発的に怪気炎を上げていた。この日、GKがメッシのPKを止め、歴史的ドローとなったアイスランドサポーターが大人しいのとは対照的であった。  ちなみに、記者が歩いていた数時間、日本人サポーターは皆無。飛行機に乗っていた同胞たちを、この日は街で見かけることは無かった。 取材・撮影・文/遠藤修哉(本誌/W杯参戦3度目)
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