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ブラジルW杯日本第3戦現地レポ クイアバは大アウェー。コロンビアにスタンドも圧倒された1日

 現地時間24日、ブラジル内陸部の街・クイアバで行われた、日本×コロンビアは1-4でコロンビアが勝ち、日本の決勝ラウンド進出はならなかった。

 この試合を現地で観戦した記者。試合の2日前からクイアバの街に黄色いユニフォーム姿のコロンビアサポーターが増え始め、記者の宿泊していた安宿も、宿泊客のほとんどがコロンビア人になるなど、試合当日までには街中が黄色いユニフォームに席巻された。

◆居酒屋は「コロンビア祭り」

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 試合開始4時間前の昼12時、スタジアム至近のビール居酒屋に行くと、すでにそこは真っ黄色。100席ほどのテラス席で大声で唄い、ビールを片手に気炎を上げるコロンビアサポーター。第1戦、第2戦ともに日本のユニフォームがレシフェ、ナタウの街を染めていただけに、“完全アウェー”を感じてしまった。

 一瞬、躊躇したが、灼熱の気温のなか冷たいビールの誘惑は断ちがたく、勇気を振り絞って黄色い海に飛び込むと、「オー!ジャポン!」と異様なテンションの歓迎。「フォトフォト!」とあちこちから記念撮影をせがまれる。「ジャポン、セロ。コロンビア、トレス!」(日本0、コロンビア3)と今日の得点を予想して挑発してくる輩もいたが、基本的にフレンドリー。「フォト!フォト!」にいちいち応じていたため、買ったビールがなかなか飲めない。

「とりあえず、ビールを飲ませろ!写真はそれからだ!」と片言のスペイン語で言うと、笑いが起きる。冷たいビールは世界の共通語なのだ。居酒屋の大スクリーンではイタリア×ウルグアイの屈指の好カードが放映されていたが、見ているものはおらず、「コロンビア!コロンビア!」と太鼓を持ちだして大声で唄っていた。

 次々と居酒屋を訪れるコロンビア人の記念撮影に応じていたら、あっという間に試合2時間前。するとコロンビア人は、波が引けるようにさっとスタジアムに移動していった。

 スタジアムに入るとゴール裏の記者の席の周りは7割コロンビア人、2割ブラジル人、1割が日本人という状態だった。ブラジル人もほとんどが黄色いユニフォームを着ているので、青色のアウェイ感は増長される。コロンビアの応援歌がスタジアムの屋根に反響して、地鳴りのように聞こえる。記者の席からは日本代表サポーターの姿は見えず、声がわずかに聞こえるほどだった。

 試合はご存じの通り。PKでコロンビアが先制した時は蜂の巣をつついたような騒ぎに。日本が前半終了直前に同点に追いついたときは、水を打ったように静まり返るスタンド。後半に入り追加点を次々とあげると、記者の前にいた上半身裸の若者たちは、頭上にビールをぶちまけるという狼藉。ゲームの興奮に冷水どころか、ビールをぶっかけられる屈辱に、記者は耐えなければならなかった。

 一番スタンドが沸いたのは43歳のGK・モンドラゴンが交代でピッチに立ち、W杯の最年長記録を更新したとき。モンドランコールが起き、拍手喝采、総立ち。余裕の采配に記者は唇を噛みながら、スタンドでも要求される記念撮影に応じた。

 試合終了。するとコロンビア人は次々と記者の元に次々とやってきては「ユニフォームを交換してくれ」との催促。そんな気分にならないのは当然だが、ユニフォームの質的にも「等価交換」には遠く及ばない。コロンビアではまず手に入れることができない日本の青いユニフォームは大人気なようで、記者のほかにも多くの日本人が帰り際、声を掛けられていた。

「KAGAWA」と書かれたユニフォームの交換に成功したコロンビア人は、仲間たちの羨望の眼差しを浴びていた。

 ピッチ内でもスタンドでもコロンビアの勢いに圧倒された日本。国内の親善試合等では決して感じることのできない「独特の雰囲気」を痛感した1日だった。

<取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>





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