世界中の富裕層が殺到!? 元経済ヤクザが解説する“臓器移植ビジネス”の闇
山口組の直系組織に所属する経済ヤクザとして、海を渡って暗躍。さまざまな国でビジネスを手掛けてきた猫組長は“現役時代”に様々な修羅場を目の当たりにしてきた。中でも忘れられないのが、人身売買ビジネスが平然と行われていることだという。ここでは中国のある病院で猫組長が見たおぞましい実態について触れたい。
中国での臓器移植にはドナーの調達方法が数種類用意されている。農村部での誘拐や人身売買によるもの、そして死刑囚からの提供である。共通しているのは強制的な臓器提供―つまり誰かが助かるために誰かが死ぬというゼロサムの関係にある点だ。死刑囚をドナーとした臓器移植は軍の利権であるらしく、実施する病院も軍関係のものだった。
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ベトナムへ行ってきた。ハノイから南へ約150㎞、車で3時間ほど走るとタインホアだ。トンキン湾に面したサムソンビーチはリゾート開発が進み、観光客で賑わう。日本でいうと熱海のような場所だが、経済特区のニソンは、クウェート国際石油や出光興産の出資でベトナム最大の製油所建設が進む、成長著しい土地である。
私がタインホアを訪れたのは、西原理恵子さんの絵でおなじみの「人買い」こと井上君の仕事ぶりを見るためだった。彼はハノイとタインホアで、日本への留学、就職を希望する若者のために学校を運営している。ベトナム政府からの信頼も厚く、外交官以上の扱いで入国審査もない上に花束での歓迎まで受けた。
ベトナムに限らず、発展途上国に政治腐敗はつきものだ。国家的プロジェクトは役人とマフィアの利権の巣窟と化す。私たちが地元マフィアのボス宅を訪れた時にも省の高官が同席し、空港建設の利権について話し合っていた。
社会主義体制のベトナムは特権階級とマフィアの癒着が特に顕著で、公共工事から麻薬取引、人身売買まで共同事業になっている。
これらの構図は、中国もまったく同じだ。格差をなくし平等な社会を目指す共産主義がもっとも格差を生むという皮肉な現実を浮き彫りにしている。
私は10年ほど前、中国で臓器移植に立ち会ったことがある。金持ちの日本人Aが余命宣告をされ、最後の望みとして北京での肝臓移植を選んだのだ。それはまさに、共産主義が産んだいびつな状景だった。
発展途上国で横行する人身オークションの実態
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『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言』 週刊SPA!誌上で始まった「ネコノミクス宣言」を大幅に加筆・修正、連載開始から2年の時を経て単行本として出版されることとなった渾身の意欲作。相方を務める漫画家・西原理恵子氏による描きおろし漫画も収録、300ページ近いボリュームでお届けする。 |
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