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世界中の富裕層が殺到!? 元経済ヤクザが解説する“臓器移植ビジネス”の闇

 移植の前日、この病院へ見舞いに訪れると、執刀医を紹介された。日本に留学経験のある、リ医師は怪しい日本語でドナーである死刑囚をガラス越しに指さして説明してくれた。 「Aさん運がいい。とても若くて強い肝臓ね」  ベッドのドナーは両手両足に包帯が巻いてあり、腕から点滴を受け眠っているようだった。 「移植前に両手両足の腱を切ります。逃走防止と緊張緩和のためね」  リ医師はまるで魚の調理方法を説明するかのごとく淡々と語った。
手術

※写真はイメージです

 臓器移植のための人身売買や誘拐は中国が断然多いが、インドも負けてはいない。南インドのチェンナイでは臓器移植用の人身がオークションにかけられ、アラブやヨーロッパの富豪で賑わっている。  これら臓器移植には病院施設と医師などの技術者が必要となるため、必然的にそれらが揃った国か、またはドナーの輸送が簡単な地域に限られてくる。  そのため、東南アジアの貧しい国々では、臓器移植とは違った目的で人身売買が行われている。ラオスやミャンマーへ旅した人は見たことがあるかもしれないが、ケージと呼ばれる檻に入れられた子どもたちが、僅か数万円で売買されている。恵まれない子どもたちを救うキャンペーンや、ボランティア活動は世界中で行われている。だが、これらの現実を目にすれば、いかに無力かがわかる。  ちなみに、Aの手術はあっけなく失敗。彼は遺体で帰国することになった。リ医師は家族を前に平然と言い放った。 「Aさん弱い。失敗したの、Aさんのせいね」  移植にかかった費用は、遺体搬送も含めると約3000万円。命の値段として高いか安いかわからないが、結果として二人の人間が死んだだけだった。 文/猫組長 兵庫県神戸市生まれ。元山口組系二次団体幹部。若くしてヤクザの世界に身を投じ、仕手戦やインサイダー取引を経験。グレーゾーンのファイナンスやマネーロンダリングを得意とする国際的な経済ヤクザとして暗躍、数百億円を稼ぎ出す。ヤクザ引退後は作家転身を果たし、「週刊SPA!」のコラムを筆頭に健筆をふるう。最新刊『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言
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猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

週刊SPA!誌上で始まった「ネコノミクス宣言」を大幅に加筆・修正、連載開始から2年の時を経て単行本として出版されることとなった渾身の意欲作。相方を務める漫画家・西原理恵子氏による描きおろし漫画も収録、300ページ近いボリュームでお届けする。

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