雑学

特技はマネロンだった!? 故・金正男との「忘れがたい思い出」

在りし日の金正男

シンガポールを拠点に、マネーロンダリングにも関わっていたとされる金正男氏。打ち解けた猫組長に入墨をみせ、ご満悦だったという

 国際金融の舞台で20年に渡り、経済ヤクザとして暗躍してきた猫組長は、地下社会を牛耳るたくさんの大物をその目で見てきたという。中でも忘れがたい存在が、ラオスで偶然遭遇した金正男だ。その時のエピソードを披露してもらった。

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 金正男が暗殺されたのは、’17年2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港での出来事だった。第一報は韓国KBS放送の速報だったが、詳細はわからず、情報は錯綜していた。やがて、女スパイによる毒殺という、まるで映画のような展開が判明した。世界中が大騒ぎである。

 金正男に初めて会ったのは、ラオス北部のヴァンヴィエンという小さな町だった。ラオスの首都ヴィエンチャンから、曲がりくねった山道をバスで走ること約4時間。山に囲まれたのどかな町だが、ホテルや洒落たレストランの並ぶリゾート地で、欧米人の旅行客で賑わっている。

 ヴァンヴィエンは何もない町だが空は青く美しい。未舗装の道路には、車より牛や鶏のほうが多いような所だ。

 唯一の観光資源がマリファナやアヘンなどだったが、今では取り締まりが厳しくなっているらしい。

 ’12年、タイのタクシン元首相がヴィエンチャンを訪れた時、私は友人とヴァンヴィエンにいた。当時、メインストリートのレストランやバーには、昼間から水パイプでマリファナやアヘンを吸う欧米人の姿が見られた。店の看板にHAPPYという文字が書いてあれば麻薬が置いてある。マリファナがトッピングされたピザはHAPPYピザだ。

 ヴァンヴィエン初日の夜、通りの外れにあるわりとマトモそうなレストランに入った。すると、奥の席に3人組のアジア人が食事をしていたのだが、その中の一人に見覚えがあった。金正男だ。

 私は英語で「正男さんこんばんは」と声をかけてみた。

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国際金融の舞台で金正男の名前は知れ渡っていた

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猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言

週刊SPA!誌上で始まった「ネコノミクス宣言」を大幅に加筆・修正、連載開始から2年の時を経て単行本として出版されることとなった渾身の意欲作。相方を務める漫画家・西原理恵子氏による描きおろし漫画も収録、300ページ近いボリュームでお届けする。




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