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「かぼちゃの馬車」破綻でも、自己破産をためらう年収1000万円のオーナーたち

「もともとスルガの内規では、売買価格の9割までしか貸さないんですよ。本来1億円の物件を買うには、物件価格の1割と諸費用7%前後を合わせた17%のキャッシュがないとそもそも買えない。しかし現実には、自己資金なしのフルローンで皆さん物件を買っています。ということは、売買金額を改ざんし、それでも利回りが合うように入居率などを高く見せかけて物件の価値を本来よりも高くして書類を作り、客の属性をその物件を買えるレベルに上げるしかない。年収や預貯金の数字を改ざんするという発想は、ここから生まれるんです」  こうして投資物件の物件価格は上がることになり、不動産仲介業者たちの介在で、さらに物件価格が上乗せされるのだ。  組織ぐるみでの不正行為が露見したスルガ銀行には、今後、厳しい行政処分が下されるのは間違いないが、オーナーたちの運命は決して明るいものではなさそうだ。 「スルガのローンで不動産投資をしている人の特性として、年収1000万円クラスのエリート会社員が多いんですよ。だから返済が苦しくても自己破産を躊躇するし、不動産投資の債務は自己破産しても免責されない可能性もあります」  なかには不動産ローンとは別に1000万円ものフリーローン特約を組まされていたケースもあり、泥沼化は必至である。 ― 不動産バブル崩壊の予感 ―
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