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豊洲のタワマンにも値崩れ波及!? 不動産バブル崩壊の足音

シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していたスマートデイズの破綻で明らかになったのは、スルガ銀行による杜撰(ずさん)な貸し付け実態だった。だが、この一件が今、思わぬ形で不動産業界に大きな余波を広げている。事件発覚により、スルガ銀行からの貸し付けが停止したことで、活況だった不動産市場に暗い影が差しているのだ。今、不動産業界で何が起きているのだろうか。

不動産バブル崩壊の予感

不動産バブルを牽引する三為業者


 ’12年末から始まったアベノミクスによる金融緩和で溢れかえったマネーは、不動産業界に流れ込んだ。こうした不動産投資大ブームに乗せられ、早く収益物件を手に入れたくてたまらない人々の背中を猛烈にプッシュしたのが、スルガ銀行。そして同行とタッグを組む形で、この狂騒の中心にいたのが三為業者だ。都内の不動産業者によれば、バブルをつくり出したキーマンだという。

 不動産投資に詳しい関田タカシ氏は言う。

「民法の『第三者のためにする契約』という条文に基づき、売り主Aと買い主Cをつなぐ転売業者Bを、三為業者(さんためぎょうしゃ)と呼びます。例えばAが物件を3000万円でBに売り、Bは3500万円でCに売るといった具合です。このときBがやることと言ったら、スルガ銀行の融資が下りるように、Cを手取り足取り世話することくらいです。それで右から左に多額の利益が出るんですから、完全にバブルのビジネスですよ。複数の三為業者が入り、転売されるうちに物件価格が倍以上になることもあります」

 こうして三為業者は全国各地で投資用物件を探し回り、スルガ銀行の融資をつけて売りまくった。地銀本来の融資エリアには制限があるが、スルガ銀行は’08年にゆうちょ銀行と提携したことで、全国展開の足がかりを得ていたのだ。

不動産バブル崩壊の予感

不動産を一旦購入するために登記して登録免許税などが必要になるが「新・中間省略登記(第三者の為にする契約)」により、売り主Aから買い主Cに直接登記移転が可能。そのため三為業者は多額の純利益を手にできる

「スルガ銀行の融資が、地方の不動産相場を下支えしていた面は確かにあります。築年の古い鉄骨造りだったり、郊外どころか地方の聞いたことない市の投資用物件などは、スルガ銀行しか融資がつかないんですよ。東京には地銀も信金もたくさんあり、資産家もいますが、地方は逆です。金融機関もないし、お金持ちも少ないところに高額の物件を出そうとしても、誰も買えないから値がつきません。でもそこに三為業者がやってきて、スルガ銀行を連れてきたら、物件に価値がつくわけですよ」

 スルガが進出していなかったある町では、利回り20%の物件がザラだったが、スルガの融資エリアに含まれた途端に売買価格が上がり、物件から得られる収益に対して取得価格が割高になってしまったため、利回りが10%にまで下がったケースもあるという。

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貸し渋りならぬ“貸し止まり”が起きている……

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