豊洲のタワマンにも値崩れ波及!? 不動産バブル崩壊の足音
だが、誰もが熱く燃えた祭りの時間は、終わりの時が近づいている。「かぼちゃの馬車」を運営していたスマートデイズ(’12年8月設立)の破綻は、昨年10月にスルガ銀行からの新規融資が止まったことで引き起こされた。大手の三為業者も、スルガ銀行のローンが下りないために廃業や事業縮小を余儀なくされている。貸し渋りならぬ“貸し止まり”が起きているというのだ。
「エンドユーザーにスルガの融資が下りず、違約金発生の連鎖が起き、違約金を払えないケースも出てきています。知り合いの三為業者は、扱う案件がほぼスルガオンリーだったんですが、先日電話をしたら『会社を閉じることにした』と寂しそうに言っていました」
ある不動産業者は融資の審査を出しているが、1か月以上にわたり連絡がないとこぼす。こうした“貸し止まり”の状況について、スルガ銀行に質問したところ「(融資を行っていない)事実はない。個々の案件について慎重に審査を行っている」という返答があった。
投資用不動産の市況は厳寒期に突入していくだろう。この動きにつられて、一般の住宅やマンションにも影響はないのだろうか。
「居住用物件全般に顕著な落ち込みはまだありません。スルガショックと直接の関係はないものの、不動産投資へのマインドの変化から、投資用と居住用の両要素を持つ高級物件が売りにくくなるのは事実。豊洲などのタワマンは、値崩れする可能性があります。値上がりが期待できないと売り逃げる動きと、出産や育児などのライフステージの変化に合わせて物件を売りに出す動きが競合すると、投げ売り状態になるかもしれません」
<取材・文/SPA!スルガショック取材班>
【関田タカシ】
不動産業界の裏側を綴ったブログ『ぼくと不動産』で話題の現役不動産営業マン。著書に『不動産屋のぶっちゃけ話』や『現役不動産仲介営業マンがこっそり教える 最強の初心者向け不動産投資』(いずれも彩図社)がある
― 不動産バブル崩壊の予感 ―
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