テレビ業界の底辺事情。ADより下層のバイトに丸投げも…
フランスの優勝という形で幕を閉じた今回のサッカーW杯。数々の記憶に残るシーンのなかで、忘れがたいスターの1人はブラジル代表のネイマールだ。スローモーションで映し出された彼のあまりにも白々しすぎる演技(シミュレーション)が、いまでも頭から離れない。
さてそんなネイマールの演技を見て、「自分の会社にいるアイツ」を思い出してしまった方はいないだろうか。バレバレの嘘や演技で結果を得ようとする……。そこで今回は、(偏見極まりないが)ネイマールな奴がウジャウジャいそうなテレビ業界の話を伺った。
映像制作会社勤務3年目のAD男性・宇田川さん(仮名・20代後半)は、主に地上波の番組で使用する再現VTRを制作している。まだ新人だった頃のある日、宇田川さんはVTRで使用する画像の資料集めを任されたそうだ。上からの指示は、「1人で国会図書館に10日間こもって、とにかくVTRのクオリティが上がるような資料をかき集めろ」とのこと。
「こういう仕事って、終わりがあるわけではないじゃないですか。『ここまでしかできませんでした』って言ってしまえばそれまでなので、サボろうと思えばいくらでもサボれると思ったわけですよ」
というわけで宇田川さんは日々の仕事の疲れもあり、余裕の昼出勤をかましていたそうだ。図書館が閉館した後は会社に戻り、「いや~資料ってなかなか見つからないもんですねぇ」とわざとらしく汗をぬぐっていた宇田川さん。
昼出勤でのんびりと資料を探していた宇田川さんであったが、途中で「このままでは終わるわけがない」ということに気が付いたそうだ。そう、テレビ業界というのは激務×激務のとにかくハードな現場。楽した分だけすべて自分に降りかかってくるのである。
「連日の昼出勤が響いて、後半は“図書館もっと早く開けよクソ!”と思うくらいでした。外回りの営業が仕事しているフリしてその辺でプラプラしているなんてのはよく聞きますよね。結局、テレビ業界にそんな時間はないんですよね。ネイマールしている暇なんてないんですよ」
山のような業務が上から投げ込まれ続けるADという仕事。AD同士が協力し合って……なんて雰囲気はまるでなく、「サボったら殺すからな」という牽制の掛け合いが日常である。ADはもちろん、上司であるディレクターにネイマールしているのがもしもバレたら……。想像するだけでゾッとするので「ADは意外と真面目に働いているんすよ」とのことだ。
しかしながら、学生時代にテレビの制作会社でアルバイトをしていた筆者には、忘れられないADのネイマールな言動がある。
テレビ業界のネイマールな行動
ADは意外と真面目らしいが……
山のような業務が上から投げ込まれ続けるADという仕事。AD同士が協力し合って……なんて雰囲気はまるでなく、「サボったら殺すからな」という牽制の掛け合いが日常である。ADはもちろん、上司であるディレクターにネイマールしているのがもしもバレたら……。想像するだけでゾッとするので「ADは意外と真面目に働いているんすよ」とのことだ。
しかしながら、学生時代にテレビの制作会社でアルバイトをしていた筆者には、忘れられないADのネイマールな言動がある。
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1992年生まれ。栃木県那須の温泉地で育つ。筑波大学芸術専門学群在学中よりライター活動を始める。
2018年、西成のドヤ街で生活した日々を綴った『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)でデビュー。ライターとして取材地に赴き、その地に長らく身を置く取材スタイルを好む。著書に『ルポ歌舞伎町』、『ルポ路上生活』(KADOKAWA)、『ワイルドサイド漂流記』(文藝春秋)がある。X:@onkunion
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