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全身ユニクロは危険。ZARA、GU、どう使い分けるのが賢いか?

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第194回目をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB

メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)

 統計によると、個人が所有する洋服の量は10年前と比較して数倍にまで増えているそうです。その原因はもちろんファストファッション。服の価格破壊が進み、今では極上のデニムも1枚2000円程度で購入できるほど。10年前ならば考えられないほどデフレが進みました。多くの人がそんなファストファッションの恩恵を受けているかと思います。  ユニクロ、GU、ZARA、H&Mと国内外ファストファッションブランドが乱立していますが……どのブランドがどんな特徴があるか、あなたは把握していますか?  今回はファストファッションの特徴マップをお届けします。実は明確な違いがある各ブランド、「これを買うならココ」と分かっていれば無駄な時間とお金を費やさずに済みます。ぜひご参考ください。

極上の定番品ならユニクロ一強。ただし「全身ユニクロ」は危険

ユニクロ
ユニクロ

シンプルな服ならユニクロが一番

 国内を代表するファストファッションブランドならやっぱりユニクロ一強。2018年現在、世界ランキング3位を誇るユニクロの特徴は「素材」にあります。  高級ブランドが採用するデニム「カイハラ」、高級コットン「スーピマ」、希少素材である「カシミア」、アウトドアメーカーでさえ値段を落とせなかった「シームレスダウン」など素材に徹底的にこだわり、極上品を低価格でラインナップできているのが、ほかのブランドにないユニクロだけの魅力です。  では、なぜユニクロはここまで「高品質低価格」を実現できるのでしょうか。それは他ブランドと明確に違うロングスパン戦略に理由があります。  通常、ほかのファストファッションブランドは「多型少量生産」です。それぞれの枚数はさほど多くないけれど、大量のデザインを用意して消費者同士が被らないようにするのが狙い。「あ、それH&Mでしょ」「それZARAだね」など、他人と被りブランドバレするのを防ぐわけです。  洋服の価値は「他人との差別化」にあります。他人よりもかっこよく見える、特別に見えるからありがたがる傾向があります。だからこそファストファッションブランドは「買いやすいけど、大量に型があるから他人と被らない」ように考えて「多型少量生産」を採用しています。  ところが、ユニクロはこの戦略と真逆です。通常のファストファッションブランドと比べると、ユニクロは型数がかなり少ない。「少型大量生産」がユニクロがとっている戦略。それも同じモデルを何年も何十年も売り続けるほどロングスパンで展開しています。フリースも、カイハラデニムも、スーピマTシャツも、エアリズムも、ヒートテックもすべて1シーズン限りではなく、何年も、うまくいけば10年も売り続けています。  どんな商品も生産数と価格は反比例します。生産数が増えれば増えるほど単価は下がりやすく提供できるわけです。ユニクロはロングスパン戦略で極上品の単価を限りなく下げて提供する道を選びました。だからその反面、ユニクロの服は他ブランドよりもデザイン性が弱く、シンプルなものが多い傾向があります。そのまま着用すれば他人と被りまくってしまう。  だからこそ「ユニバレ」なんて言葉も生まれました。そのため、ユニクロを着用するなら「着こなし術」が必要です。確かに素材は極上品なためコスパはいいですが、デザインがシンプルすぎるため着こなしで差別化する必要があります。  定番品が欲しいならユニクロに行くべきなのですが、着こなしに自信のない状態での「全身ユニクロ」は地味になりがちで危険なのです。
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