アイテムを台無しにしてしまう裾上げの誤解
人は、まったく新しいデザインより、見慣れたデザインを選びます。服に興味がない男性の多くはその傾向が顕著です。だからこそ、裾上げではいつものパンツ丈を選びがち! 働き盛りの30~40代のビジネスマンが青春時代を過ごした90年代から00年代初頭、パンツ丈の基本は長めでした。
ところが、00年代からこの流れが変わり、現在ではカジュアルのみならずビジネスファッションにおいても、
短めのパンツ丈が基本なのです。
とはいえ、ビジネスファッションで短すぎるワケにもいきません。私が推奨するパンツ丈は
立っている状態でギリギリソックスが見えない、座った時は裾が上がりソックスが見える程度です。

秋冬のフランネルスーツ(THE SUIT COMPANY)、パンツ丈はソックスが見えないよう短めに合わせるのがベスト
というのも、スラックスの余った布が革靴に覆いかぶさる見栄えは印象としてキレイなものではないからです。ダブついた弛みは不要な生活感を生むとともにオジサンに見える原因のひとつではないでしょうか。
義務教育で服を学ぶという文化はありませんから、服の知識水準は個人によるところが大きいワケです。学生時代、ファッションに興味をもったグループはひたすらおしゃれを追求し、そうではなかったグループは何となく着ています。
服の種類によって、実はアイテムの相性があることは意外と知られていません。たとえば、光沢感が強いスーツに光沢ある滑らかな質感のネクタイは似合いますが、必ずしも光沢感を追求しないジャケット&パンツにおいては滑らかな質感のネクタイは合わないのです。
これは服の食べ合わせのようなもので、私は「着合わせ」と呼んでいます。この着合わせを意図することでツープライススーツ量販店を上手に活かせることでしょう!<TEXT/森井良行>
株式会社エレガントカジュアル代表取締役。服のコンサルタント、「プロの目線でユニクロも好印象!」をモットーとして、のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行。bizSPA!フレッシュ連載「
ビジネスマンが好印象に見せる7つの技術」、公式サイト「
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