“全員ヒラ社員”はハッピーか?役職をなくした会社が登場
仕事のできない管理職より、活発に働ける人材が今、求められている。しかし、役職制度がないことにより社外の人からの信頼の損失や、働く上での支障はないのだろうか。
「怪訝(けげん)な顔をされることはありますが、特に業務に支障はきたしません。名刺にも“バリフラットで階層はない”と記しているので、それをきっかけにコミュニケーションが生まれたり、企業名を覚えてもらいやすいというメリットがあります。労働者側は役職の獲得による承認欲求は得られない半面、能力や職務、役割などを序列化した等級制度は設けてあるので、給料が上がることでキャリアアップを感じられます」(中村氏)
今後の役職制度廃止への動きについて、植田氏はこう分析する。
「元来の役職制度はなくなりますが、チームとしてまとめるリーダーは必要です。そのようなリーダーなら30代でも遂行できる人がいます。中高年にとって役職がないことは負け犬だと感じる人もいるかもしれませんが、管理職になることは何かに勝つことではなく、役割を担うことです。そのポジションにふさわしい人が上り詰めていくべきです」
欧米型のキャリア採用が大きな波として役職制度を終焉に導く。我々は今、自分が全うできる仕事を改めて考える時に来ているのだ。
【植田寿乃氏】
キャリアコンサルタント。QUE代表取締役。一般職やベンチャー、航空会社勤務などを経て、現在は人材育成セミナーや研修・講演を年間200日実施
取材・文/安里和哲 キンゾー 姫野 桂 藤村はるな 古澤誠一郎 吉岡 俊
― 死ぬまでヒラ社員の衝撃 ―1
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