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“全員ヒラ社員”はハッピーか?役職をなくした会社が登場

 7割は課長になれないと言われて久しい。実際、40歳以上の未役職者は60%を超え、多くの人が万年ヒラ社員の憂き目に遭わされている。そんな役職制度といえば、勤務年数を重ねさえすれば役職に就ける年功序列制度が、日本に色濃く根づいている。しかし、「そんな制度はもう崩壊し始めている」と、キャリアコンサルタントの植田寿乃氏は指摘する。

撮影/スギゾー モデル/與那覇 実

撮影/スギゾー モデル/與那覇 実

中年ヒラ社員に朗報、役職制度はもうなくなる!?


「これまでの役職制度は、若い頃に頑張った分、40・50代で課長や部長になったら交際費で遊べて退職金もたんまりもらえるという、いわゆるご褒美。昔ならこの方法でも会社は成長していきましたが、今は大きな間違いであったと企業側が気づき始めています。役職制度にこだわる会社のことを、私は今にも沈みそうな“昭和タイタニック号”と呼んでいます」

 時代の流れに沿って役職制度を廃止した会社の一つが、ベンチャー企業のアトラエ(求人メディア、ビジネスマッチングアプリ等の運営)だ。

「本来なら社会的貢献を外に向かって発信しなければならないのに、ヒエラルキー組織では派閥争いや根回しといった、内側にエネルギーを消費してしまう。また、変化の早い現代では、30年勤めただけの部長や課長が最適解を指示できる保証はどこにもない。無駄な管理職をなくせればコストも下がります」(代表取締役・新居佳英氏)

 役職がつかないということは、個人の業績主義かと思いきや、「会社全体、つまり組織・事業ビジョン実現への貢献度を重要視しているので、個人ノルマのようなものはありません」と、新居氏。

 IT企業のISAOも’15年に“バリ(超)フラット”な組織に移行した。役職制度廃止のメリットについて代表取締役の中村圭志氏はこう語る。

「変動の激しいIT業界で意思決定が遅いのは致命的。以前は役員を含め3~4人に稟議書を回さないと決められなかったことが、フラット化したことにより意思決定のスピードが劇的に上がりました。また、各人の自主性が高まるので社員の成長スピードも速いです」

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役職ではない給料が上がる制度があればいい

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