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パワハラ&派閥争いにウンザリした元課長。平社員になって人生が充実

 7割は課長になれないと言われて久しい。実際、40歳以上の未役職者は60%を超え、多くの人が万年ヒラ社員の憂き目に遭わされている。出世を諦めた男たちは今、何を思い、どんな毎日を送っているのだろうか。諸事情あって“万年ヒラ”に陥ったOVER40サラリーマンを直撃。これまでの会社人生を振り返ってもらった。 死ぬまでヒラ社員

パワハラ&派閥争いに辟易。ヒラになって喜ぶ元課長

― 浜野順一さん(仮名) 50 歳・産廃中間処理業 年収350万円 ―  浜野順一さんは44歳のとき、一度は課長職についたものの、現在は転職してヒラ社員に。若い頃はそれなりに出世欲もあったという。 「役職がつかないと自分の意見を通せなかったり、やりたいプロジェクトに参加できないと思っていたんです。そして、ようやく人材派遣の会社で課長に就任。年収は400万円。その分、役員と接する機会も増えました。零細企業だったので、密な人間関係から派閥争いに巻き込まれ、社長にイビリを受けるようになってしまい、ストレスで体にじんましんが出る日もありました」  役職があってもこんなにつらいのかと絶望する日々を送っていた浜野さん。課長職についてからわずか4か月で転職することを決めた。今は、産業廃棄物の中間処理業の会社に転職し、ヒラとしてフォークリフトに乗ってゴミの処理を行っている。 「ヒラ社員のままでは今後、給料のアップは期待できません。でも、職場の人間関係がいいのでそんなことは全く気になりません。前職のように、相性の悪い上司に当たってしまうと、役職があっても自分の希望どおりにはいきません。今は、言いたいことがあったら遠慮なく意見を言えるので、非常に穏やかな毎日です」  浜野さんは「ヒラになったことで得たものが多い」と語る。 「今は福利厚生が充実している会社なので、会社のフォローで資格を取得できました。また、家族と一緒に過ごす時間が増えたので、妻からのプレッシャーもない。年収は50万円下がったけれど、それと引き換えに快適に働ける環境を手に入れました。日帰り温泉や登山を楽しめる時間と心の余裕も出てきました」  そう言って笑う彼は、早くも余生に入ったのかもしれない。 撮影/スギゾー モデル/與那覇 実 ― 死ぬまでヒラ社員の衝撃 ―
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