更新日:2018年10月28日 10:51
デジタル

Nintendo Switchに『moon』スタッフによるシューティングが登場。少女は厄災をもたらす黒い鳥になった…

 ステージは全4面。「循環型シューティング」というジャンル名の通り、強制スクロールではなく右にも左にも行けるのがポイント。なんといっても目を見張るのはその世界観です。

中央下の黒い塊のような鳥が自機。当たり判定は目の部分だけ

 オープニング、力尽きたように倒れる少女。街の人々は見て見ぬふりをし、近寄ってきた紳士もステッキで少女の体をつつき、立ち去ります。動かなくなった少女は不気味な「黒い鳥」に生まれ変わり、楽しげな人々が暮らす街を破壊するように。これが王国に古くから伝わる大災害・黒い鳥です……。  城塞や農村、ネオン街といった各ステージで人々を撃ち、そこに架空の言語で歌われるオペラ曲がシンクロする。陰鬱とまではいかず、シューティングの爽快さは残しつつ、どこか心の奥に引っかかる独創的な世界。短いオープニングとステージの背景だけで、これだけ想像力をかき立てるのはさすがです。  攻撃はショットとボムだけとシンプルながら、短時間クリアでの得点アップ、ショットの進化、コンボボーナス、隠れキャラなどの要素が絡み合って、独自のステージ攻略法が見つけられるのがこのゲームの面白さ。攻略情報などをあまり読まずに何度も繰り返しステージをプレイして、自分のなかでノウハウを蓄積していくのが楽しい、レトロゲーム的な骨太感があります。

ステージにはいろいろなギミックが隠されていて、それを探すのが楽しい

 クリア後には難易度の高い「トゥルーモード」が出現。エンディングは全8種類用意され、高得点を叩き出せば真のエンディングに到達するとか。普通のシューティングとはひと味違う、オペラ曲が哀しみと高揚をもたらすアーティスティックな世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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