たとえ、夫婦の一方の認知症が進行しても、その姿を見ながら配偶者が相手を思いやる気持ちが重要なのだと思います。あなたの夫は、悪い人ではありません。あなたを愛していないわけでもありません。 　ただ、日々の生活の惰性と、仕事が忙しいので、自分の基準だけで世の中を見るようになっているだけです。そのことに気づけば、あなたの夫の態度も変わります。 　夫にこの掲載されたこの連載を見せて、大城先生の『あなた』を読んでみることを勧めましょう。その上で、 「私は体の調子がよくないの。もう少し私のことも考えて」と言ってみましょう。必ず効果があるはずです。人間の生活習慣はすぐには改まりません。しかし「これではまずい」と思っていると、徐々に変化していきます。 ★今週の教訓……「生活を共にすれば理解し合える」は幻想です’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数