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被害者続出の「殴られ恐喝」、回避する方法はない!?

正否を主張するより、決着を後回しに

 警察庁の統計によれば、恐喝犯の認知件数はここ5年で減少中。しかし、新宿に法律事務所を設ける青島克行弁護士は、「この手の事件はそもそも表沙汰にならないケースも多い」と話す。
殴られ恐喝の恐怖

[恐喝犯認知件数の推移]恐喝犯の認知件数は減少しているが……

「ケンカを吹っかけられた側は予期せぬトラブルでパニックになっていることが多い。『警察に行って事を大きくしたくない』『家族や友人に知られたくない』と考えてその場で示談金を払い、その後、誰にも話さない人もいるはずです」  また警察に取り合ってもらえず、心が折れて示談する人も多そうだ。 「警察は刺されて血が出ている被害者が助けを求めてきたような、要は、犯罪の発生が明らかといえるような場合でもない限り、すぐに刑事事件としては扱おうとしません。明確な証拠やケガもなく、『どっちが先に手を出した』程度の言い争いをしている場合、『双方で解決して』と突き返される可能性もあります」  しかし、自分の正当性を信じて、熱くなってしまうと事態は悪化するばかりだ。 「まずはこの手のトラブルが実際にあり、警察が対処しにくい場合もあると覚えておくこと。そうすれば、巻き込まれたときも冷静さを保ちやすいはず。相手が変な言いがかりをつけてきた場合は、やりとりをスマホで録画・録音するのもひとつの防衛手段です」  また、その場で家族や知人に連絡する勇気も大切だ。 「ケンカを吹っかける側は、相手が孤立してパニック状態なうちに“示談金”を払わせるのが目的。人数が増えて、決断を引き延ばされるのは絶対に嫌なのです。知り合いに助けを呼ぶ、それができなくても、とにかく『その場ではお金を支払わない』と結論は先送りにすること。後日になれば相手があきらめる可能性も高いし、それでも恫喝が続くようなら弁護士に相談するべきです」  対処法が周知され、これ以上被害が増えないことを祈りたい。<取材・文/古澤誠一郎 林 泰人(本誌)> ― [殴られ恐喝]の恐怖 ―
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