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今夜決着「M-1グランプリ2018」優勝するのはどのコンビ? 出場全組を徹底解説

ジャルジャル

 2大会連続4回目の決勝進出。昨年は6位という成績に終わったものの、審査員の松本人志さんに「一番面白かった」という優勝と同じくらいの大きな言葉をいただいたジャルジャル。今年も昨年の「校内放送ネタ」を彷彿とさせるネタを完成させた。点数とともに松本さんの反応が気になるところである。

 ボケ担当の福徳君が「新しい遊び」を開発し、ツッコミ担当の後藤君が実践するという「システム」で進行する。「システム」の笑いなので、あまり具体的に説明してしまうと、すべてバラすことになってしまうので割愛するが、俺の主観であるが、昨年以上であり「フレーズ」も面白い。必ずビッグインパクトを残すだろう。

トム・ブラウン

 決勝初進出の「トム・ブラウン」は、「オードリー」「ハマカーン」が所属するケイダッシュステージに籍を置く。決勝進出コンビの中で唯一のヨシモト所属ではないコンビである。 「トム・ブラウン」をご存じない方は楽しみにしていていただきたい。昨年の「マヂカルラブリー」と同等、いや、それ以上にクレイジー。開始早々、悲鳴が聞こえるはず。観客のではない。ツッコミ担当の布川君の悲鳴だ。そして、お決まりのツッコミフレーズ「ダメー」と叫び、ボケ担当のみちお君を張り倒す。この情報だけを聞けば、「キワモノ」と思われるかもしれないが、ネタの内容は秀逸であり、面白いし、耳に残る。リズムネタっぽい要素もある。

 個人的な話だが、みちお君は俺の自宅近くのコンビニでバイトをしている。準決勝前に、「もうバイトしたくないやろ? 決勝決めてこい!!」と冗談で言ったら、本当に決めてきやがった。ならば一言付け加えよう。「人生変えてこい!!」。

ギャロップ

「M-1ラストイヤー」で決勝初進出を決めた「ギャロップ」。全国的な知名度は低いと思うが、彼らの活動拠点でもある関西では、数多くの漫才の賞を受賞している実力派コンビである。

 3回戦のネタは過去に見た「ギャロップ」らしいネタだった。しかし、このネタは「M-1」向きなネタではないと勝手に思っていたのだが、準決勝で見たネタは明らかに違った。通常は林君がボケ担当、毛利君がツッコミ担当なのだが、このネタにはそういう役割は存在しない。ボケじゃない、ツッコミでもない。「怒り」「嘆き」。しかも、それは、「おっさん」のである。過去の「M-1」と比較してもかなり異質な「非若者」な漫才。しかし、見た人は必ず爆笑するだろう。遅咲きの「ギャロップ」が「M-1」に革命を起こす。

敗者復活戦

 今年、決勝以上の大混戦になるのが、「敗者復活戦」である。昨年は準決勝で大爆笑だった「スーパーマラドーナ」がまさかの敗退。誰がどう考えても「敗者復活戦」を勝ち上がるのは「スーパーマラドーナ」しかいなかった。しかし、今回は違う。決勝メンバーが順当だっただけに誰が出てくるかわからない。 敗者復活戦出場メンバー ① 魔人無骨 ② ダンビラムーチョ ③ マユリカ ④ ウエストランド ⑤ たくろう ⑥ からし蓮根 ⑦ インディアンス ⑧ 侍スライス ⑨ 三四郎 ⑩ ニッポンの社長 ⑪ 金属バット ⑫ プラスマイナス ⑬ 東京ホテイソン ⑭ さらば青春の光 ⑮ ミキ ⑯ アキナ  登場の順番はこの原稿を書いている時点でまだ発表されていない。噂に聞いたところによると、今年から「順位順」ではないというではないか。ならば、準決勝で順位が低かったコンビも諦めることはない。全力で逆転を狙ってほしい。  このなかで、ぜひ全国の皆さんに見ていただきたいコンビは「魔人無骨」「たくろう」「からし蓮根」「金属バット」。「魔人無骨」は芸歴1年目、「たくろう」はコンビ歴2年、「からし蓮根」はコンビ歴5年目という優等生であり、今後必ず決勝の舞台に出てくるコンビ。「金属バット」は、こんなにガラの悪いコンビを久しぶりに見た。クセは強いが、かなり面白い。  予想としてはさまざまな要素を加味して、「ミキ」と「マヂカルラブリー」の2組ではないかと考える。 「マヂカルラブリー」の準決勝での出来はよく、敗者復活戦に勝ち上がり、スタジオに向かって「上沼恵美子さん、今から行きます!!」というようなコメントをする2人の姿が絵に浮かぶ。  昨年、決勝3位の「ミキ」。俺の主観になるが、準決勝の出来はお世辞にもよくは映らなかった。「ネタ」や「ボケ」の質以上に「テンポ」と「気合」を重要視するコンビは、知名度が上がるに連れて落ち着きが出てしまう。そこに陥ってしまった感じに映った。今年の決勝メンバーは「技巧型」が多い。「速球型」の「ミキ」が行ってくれないと面白くならない。俺も「速球型」だったので期待する。大暴れしていただきたい。

 最後に個人的には「プラスマイナス」に頑張ってほしい。準決勝敗退者の中で「決勝行ったか?」と思わせたコンビであり、今年が「ラストイヤー」。ネタに勢いもあり、「敗者復活からの優勝」が狙える唯一のコンビだと思う。奇跡を起こせ!!  敗者復活戦に挑むコンビは、今一度「漫才」を愛して「漫才」に愛されろ。その気持ちが一番強いコンビに、たった一つの「切符」が与えるだろう。躍動せよ!!
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)
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12月2日(日)18時30分~22時30分
ABCラジオ/AM1008・FM93.3
「ラジオでウラ実況!? M-1グランプリ2018」
(出演/ユウキロック)

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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