ウエストランド「悲願のM-1グランプリ制覇」の裏にあった“大博打”の勝算
<文/ユウキロック>
夢を諦めない「錦鯉」が感動の優勝を果たしてから1年。漫才熱はさらに高まり、エントリーは7261組にまで膨れ上がった。決勝メンバー紹介でも書いたが、今年は昨年以上に多彩なメンバーが出揃った。
敗者復活戦もメンバーを見ればわかるように激戦。そして、超個性派が居並ぶ舞台を鋭い視線をぶつける審査員にも変化が生まれた。ダウンタウン松本人志さん、中川家礼二、サンドウィッチマン富澤たけし君、ナイツ塙宣之君は変わらず。博多大吉さんが復帰し、今年から山田邦子さんが新たに加わることとなった。
今年のM-1は過去を「塗り変える」大会となった。
ファーストステージトップバッター。出番順を決める「笑神籤」(えみくじ)が導いたのは初出場の「カベポスター」。ネタはボケ担当永見大吾君が小学生の頃、大声大会に出場したという設定。
「大好きなもの」や「ほしい物」を叫ぶのだが、ほかの出場者が言葉選びのミスを繰り返す始末。しかし、大会を重ねるごとに出場者全員が一致団結してプロポーズを後押しするというハートフルな内容で最後は温かい拍手と笑いに包まれた。
随所にツッコミ担当浜田順平君の的確で丁寧なツッコミでしっかり笑いを重ねていった。緊張のトップバッターをしっかりこなし、審査員からは「気持ちよく聞いていられる」「言葉選びのセンスが天才的」「構成が素晴らしい」と絶賛されるも得点は634点にとどまった。
このあたりはトップバッターというくじ運に泣かされる結果となってしまった。
2番手に登場は2年連続出場となる「真空ジェシカ」。ネタはボケ担当川北茂澄君がシルバー人材派遣センターの受付職員に扮し、そこにツッコミ担当ガク君が訪ねてきたという漫才コント。センターの名前から面白く、受付職員の名前から大きな笑いが起こる。
とにかくボケ数が多く、1ボケで笑いをとり、そこにはさらに意味があり、拍手笑いが起こる。ガク君が嘆きながらも強い笑いを作っていった。
得点は647点。2年連続出場ということで「安心して見られた」「全部が凄かった」という高評価な意見が出たが、松本さんからは「好みではあるがボケに対してのツッコミが大きすぎる。声のバランスが逆ならいいけど」という注目発言が飛び出した。
昨今の若手漫才師にこのパターンの漫才師は多い。この発言が今後どのような作用を引き起こすのか? 注目したい。
▼カベポスター
▼真空ジェシカ
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子』
⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)
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