元Jリーガー榎本達也39歳、ブラインドサッカーで“現役復帰”した舞台裏
「ミーティングでは敢えて言いたいことを言いました。『議論がない』と。選手たちは代表歴も長く、ファミリーのようで、馴れ合いの部分が目についたんです。8か月の門外漢が偉そうに、と思われても構わない。勝つための議論が面倒くさいなら俺が代表から去る、と訴えました。選手たちの背景や、境遇なんて俺には一切関係ない。競技としてメダルを獲ることだけを考えたいんだと……」
勝つことへの渇望。同じピッチに立つ者同士の議論は活発となり、戦績も上向きはじめた。そんな榎本は現在「三足の草鞋」を履く。FC東京普及部コーチ、明大サッカー部GKコーチ、ブラサカ日本代表選手。正直、朝から晩まで休む暇がない。
「3つ籍を置くことで、子供たちや大学生がブラサカに興味を持ってくれています。僕自身も競技をすることで、障がい者に対する見方も変わり、今はこの競技の魅力をどう発信するかを考えています」
常にチャレンジして、少しでも成長したいと言う榎本。その顔には当初の苦悩は微塵もない。
【榎本達也】(39歳)
’79年、東京都生まれ。’97年、浦和学院高から横浜M入団。’98年、U-19日本代表に選出、正GKとしてAFCユース選手権で優勝。’00年8月、川口能活に代わりJリーグ初出場。’01年、Jリーグカップで大会MVP。’07年、神戸、’11年、徳島、’13年、栃木SC、’15年、FC東京に移籍。’16年現役引退。’17年4月、ブラインドサッカー日本代表強化指定選手に。現・FC東京普及部コーチ。190cm、82kg
<取材・文/遠藤修哉(本誌) 撮影/ヤナガワゴーッ! 写真提供/JBFA/H.Wanibe>
― 元Jリーガー“復帰”物語 ―
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