テレビゲームが生んだ名探偵・神宮寺三郎。シリーズ最新作は“ヤング神宮寺”が主役
今回の新作『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』は、シナリオを『夢の終わりに』の稲葉洋敬さんが担当し、その前日譚ともなっています。
探偵業を営む祖父・京助の死の真相を知るため、3年ぶりにニューヨークへと降り立った若き日の三郎。祖父の足取りを追ううち、三郎は「ダイダロス」という謎めいた言葉に導かれていく……。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
これまでとは違い、青年の神宮寺三郎が主役の本作。“ヤング神宮寺”といった感じで、ゴツくない、そのスリムな姿が新鮮です。
周囲をぐるりと見渡せ、現場での臨場感たっぷりな「360度ビュー」探索や、三郎の思考を具現化し、証言や証拠を整理していく「思考の樹」などシステム面も刷新され、事件を視覚的に把握しやすくなっています。
かつてはヒット作も多かった探偵アドベンチャーですが、シリーズが続いている作品はほとんどなくなってしまいました。誕生から31年。探偵・神宮寺三郎には今後も50年、80年と年輪を重ねていってもらいたいものです。たまに世界の有名探偵が一堂に会する小説や映画がありますが、そうそうたる顔ぶれのなかに、しれっとタバコを吸いながら混ざるような存在になってくれたらゲームファンとしては嬉しいなあと。1
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