更新日:2019年01月11日 16:11
仕事

“男らしさハラスメント”で病んでいく男たち

世界一女性より不幸な日本の男性の実態

 会社でも家庭でも「男らしさ」を押しつけられたハラスメントに遭い、疲弊する男たち。そんな日本の男性の「生きづらさ」は、データにも。男女の格差を表す「ジェンダーギャップ指数」によれば、’17年の時点で日本は世界144か国中114位。男性は女性より経済面や教育面などで圧倒的に優遇されている。だが、’14年に発表された「世界価値観調査」によれば、日本は男性より女性の幸福度が上回り、男女の間の幸福度に世界一ギャップがある。つまり、恵まれているのに、幸福感を感じられない男性が多いのだ。
男らしさハラスメントの実態

【表】ジェンダーギャップ指数(’17)・世界価値観調査(’14)

 なぜこうも、生きづらさを感じる男性が多いのか。産業医である海原純子氏はこう分析する。 「年功序列や終身雇用が崩壊した現代では、仕事に打ち込んでも収入は上がらない。共働きも多いので、以前のように一家の戸主としての威厳が保てません。でも、いまさら家庭人にもなりきれない。その中間で悩み、アイデンティティが崩壊する人が増えています」  教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏もこう指摘する。 「取り巻く環境が変化しているのに、依然として男性は“男らしさ”を求められがち。特に家庭では、従来の男らしさに加えて、新たに女性の社会進出への理解や家事や育児の能力も求められる。非常に負担の多い状況です」
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男らしさを失うことは「負け」ではない
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