エンタメ

女優業に進出して成功を収めた女芸人たち 『下町ロケット』のイモトアヤコだけじゃない

光浦靖子:ちょい役でも、妙に視聴者の目を引く存在感

 続いてはお笑いコンビ・オアシズの光浦靖子だ。東京外国語大学卒という高学歴の彼女は、主演作品こそないものの、これまで数々のテレビドラマや映画にキャスティングされている。  近年だと、2016年に放送された時代劇『大奥』(フジテレビ系)や、2017年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』などでその姿が見られた。大奥では徳川11代将軍・家斉の正妻というポジションを演じたのにも関わらず、ほとんど出演シーンがなくて逆に話題となったことも。なお、光浦といえばメガネがトレードマークだが、もちろん出演作品によっては外している。
11人もいる

2011年のテレビドラマ『11人もいる!』(テレビ朝日系)では、主人公の母親役を担当。よく見慣れたメガネ姿だ(画像はテレ朝動画『11人もいる!』公式サイトより)

友近:実はハリウッドのプロデューサーからも熱視線!?

 ベテランピン芸人の友近も、女優業にはなかなか積極的である。2013年に公開の映画『地獄でなぜ悪い』でヤクザの妻を演じた際は、ベネチア国際映画祭に来ていたハリウッドのプロデューサーに、芸人ではなく有名な女優だと思われていたらしい。  ただ、大勢の視聴者にとって見覚えがあるのは、2015年から2016年にかけて放送されたNHKの連続テレビ小説『あさが来た』での「うめ」だろう。友近は主人公姉妹の付き人役で、普段の芸風とは一味も二味も違った、おしとやかな演技を披露。つい最近も、主人公の有村架純が赴任した中学校の先輩教師として、昨年の冬ドラマ『中学聖日記』(TBS系)に出演したばかりである。

大島美幸:女優といえば女優だが、演じた役は…!?

 最後に紹介するのは、お笑いトリオ・森三中のボケ担当である大島美幸。2006年のドラマ『下北サンデーズ』(テレビ朝日系)ではお笑い担当の劇団員、同じく2006年の実写ドラマ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)ではブー太郎の母……と、コミカルな役どころが目立つのは事実だが、決してそれだけではない。  大島は、2014年に公開された映画『福福荘の福ちゃん』の「福田辰男」役で初主演を果たす。そう、キャラクター名から想像がつくように、配役はまさかの男性だった。わざわざ頭を坊主にし、生まれてから一度も恋人ができたことがない32歳の“おっさん”を演じたところ、大島はカナダのファンタジア国際映画祭で最優秀“女優”賞を受賞するという偉業を達成。人間、何がハマり役になるかわからないものである。
福ちゃん

『福福荘の福ちゃん』DVDジャケット。キャスト情報を知らないまま見たら、大島を男と見間違える?(画像は映画『福福荘の福ちゃん』DVDジャケット)

 ――芸人は、むやみにしゃべり倒してウケを取れるほど簡単ではないだろうし、いかに“間”を活かすべきか、視線はどこへ向けるべきか……といったポイントを、常日頃から意識しているはず。そうやって磨かれた芸のスキルは、いざ女優として演技をするときにも役立つのかもしれない。<文/A4studio>
1
2
おすすめ記事