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若手馬主が調教師を選ぶ基準は「LINE」だった!

「ベテランの調教師さんですと、連絡手段が今でもFAXがメインだったりするところもあるんです。主流は電話ですが、FAXでは送った・送ってないのトラブルや、受信した場所でないと連絡が確認できないなどのデメリットがありますし、電話は記録が残せないので多頭数所有していると、把握するだけで大変です。あと、基本的に厩舎関係者は朝が早いので、生活習慣的に連絡の都合が合わないことも多いんですよ」(馬主Bさん)  そこで登場するのがLINEだ。 「LINEであれば履歴は残るし、すぐに送受信ができる。確認したのかも既読で判断できる。急ぎの連絡は通話できますし、馬主と調教師のコミュニケーションには最適です。ですが、LINE対応してくれる調教師さんは若手の一部だけなので、そこに空きがあればすぐに(入厩の)お願いしていますね」(馬主Bさん)  BさんはLINE対応できる調教師を優先に、空き馬房があるところへスムーズに入厩・転厩の手続きを進めているという。調教師の能力も大事だが、それ以上に所有馬について連絡しやすい環境を持つことがなにより大事だと考えているようだ。

レース結果をすぐに教えてくれる律儀な調教師さん

 馬主・Cさんは住んでいる場所から遠い競馬場へ預託している馬についてはネット中継でレース観戦しているのだが、ご丁寧にすぐに連絡をくれる調教師さんのおかげで、少々残念なことになっていたようだ。 「ある調教師さんは丁寧に所有馬がレースで1着通過した瞬間に電話連絡していただけるんです。非常に嬉しいことなのですが、私もレースをネットで生中継を見るわけですよ。ネット中継はタイムラグがありますよね? なので映像では4コーナー回ったあたりなのに、勝っていたときは電話が鳴ってしまうんです(笑)。逆に4コーナーくらいで電話が鳴らないと、ああ、勝てなかったんだ……ってもうわかっちゃうんですよね(笑)」(馬主Cさん)  いやはやなんとも……。お互いに親切心とわかっているだけに、なんとも複雑である。  オフ会は川崎ナイター競馬の最終レースを終えるとともに終了。そのまま二次会のため川崎駅方面へ約30人の馬主が大移動。地元在住の馬主さんがママチャリで案内する姿は、馬主だと知らなければただの地元の競馬ファンにしか見えない。だが、そのママチャリには当日その馬主さん所有の馬が新馬戦で使用していたゼッケンが騎手のサイン入りで放り込まれていたりもするのだが……  このアットホームさも地方競馬の馬主特有なのかもしれない。「新宿区馬主会」は馬の買い方や厩舎への預け方など、最初に知らなくてはいけないことなど、気軽に話し会える場。 「新宿区馬主会は、横のつながりが薄くなりがちな、馬主同士の交流の場です。新宿でよく飲んでいるのでこの名前になりましたが、どちらにお住まいの方でも、馬と競馬が大好きな馬主さん・馬主志望者さんなら大歓迎です。よかったらネットで検索してみてください!」(馬主Dさん)  気になった人は今後の新宿区馬主会の活動をチェックしてみてはいかがだろうか。(完) <取材・写真・文/佐藤永記(シグナルRight)>
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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