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懐かしすぎる! 新作なのに完全ファミコン仕様の刑事アドベンチャーが登場

 今回の『偽りの黒真珠』は、ファミコンを夢中で遊んでいたあの頃にタイムスリップできるタイトル。「ファミコンスペックでの再現」にこだわり、当時のファミコン仕様に完全に準じて制作されたそうです。背景のグラフィックは素朴なドット絵で、温かみのある風合い(より忠実な「ドットバイドット」と、少し見やすい「拡大表示」の切り替えが可能)。物語も2時間サスペンスを彷彿とさせる旅情感ある仕上がりになっています。
伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠

画面を見やすく拡大する設定も可能

 東京・上野の公園で発見された変死体。刑事である主人公と後輩の開明寺ケンは、被害者が持っていた「浜○真珠」と、一部字が読めなくなった巾着袋を手がかりに、伊勢志摩へと飛びます……。
伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠

上野の事件を追って、捜査は伊勢志摩へ!

 かつて『オホーツクに消ゆ』で、「わごとおんせん」や「ましゅうこ」など北海道の観光地をたどれたように、本作も伊勢志摩の名所を訪れていきます。途中で3Dダンジョン風の商店街があったり、ちょっとしたミニゲームができたり、美女と温泉に入れたり……と、推理アドベンチャーへのオマージュもたっぷり。ハズレの選択肢もクスッとできるテキストが満載です。  改めてコマンド式アドベンチャーをプレイしてみて、その魅力を再認識しました。正解のコマンドを探しているうちに、なんとなく事件や人間関係、動機について、自分なりの考えが深まり、没入度も高まっていきます。気分はまさに刑事ドラマ。天才真珠職人が生み出した黒真珠「蒼月」を巡る、もつれた人間関係。真珠に秘められた哀しい真実とは果たして……。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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