“発達障害グレーゾーン”に苦悩する人々。できないことを「ただの怠慢」と勘違いされ…
そんなグレーゾーン層の人に寄り添い、毎月、グレーゾーンの人限定の当事者会「ぐれ会!」を行っているのは、自らもグレーゾーンのOMgray事務局のオム氏。
「グレーゾーンの方は、ぱっと見は普通の人にしか見えません。でも、どう頑張ってもできないことがあるので、次第にボロを隠せなくなり、周りから『あの人おかしくない?』と言われるようになってしまうこともあります。
私自身、職場の電話対応で通話しながらメモができませんでした。休みの日は自宅でテレビやラジオの音声を聴いて内容をメモするなど、同時に2つのタスクをこなす訓練をしたりしました。
普通の人は休んだり、遊びに行く時間をグレーの人はそんな特性のカバーに使うので、心身ともにボロボロになります。でも、そこまでしてようやく、周りの人と同じくらいの能力を発揮できるのです。いわば、“普通の人と発達障害の人の狭間”の存在だと感じています」
“発達障害グレーゾーン”の人々は、今も悩みを抱えながら生活を続けている。
●ASD(自閉症スペクトラム障害)……相手の目を見て話せない、冗談や比喩が通じないなど、コミュニケーションにおいて困難が生じる。また、特定分野に並々ならぬこだわりを持っている場合もある
●ADHD(注意欠陥・多動性障害)……不注意や、多動・衝動性がある。予定のダブルブッキングや遅刻など、ケアレスミスが発生しやすい。また、思ったことをすぐ口に出してしまうケースもあるため、人間関係のトラブルに繫がることも
●LD(学習障害)……知的な問題がないにもかかわらず、読み書きや計算に困難が生じる
【姫野 桂氏】
フリーライター。発達障害当事者を数多く取材。自身も発達障害当事者。著書に『私達は生きづらさを抱えている』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)
【オム氏】
OMgray事務局代表。’17年、軽度の発達障害の特性に悩む人の当事者会を立ち上げる。現在は都内、横浜などの施設で定期的にグレーゾーン限定の会「ぐれ会!」を開催
― 発達障害グレーゾーン ―
※週刊SPA!2月5日発売号「発達障害グレーゾーン」特集より
《「発達障害」の主な特徴》
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