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“発達障害グレーゾーン”に苦悩する人々。できないことを「ただの怠慢」と勘違いされ…

 SPA!でも’18年に2度にわたり、大特集を展開した発達障害。その取材をきっかけに生まれた『発達障害グレーゾーン』(姫野桂著)も発売即重版となるなど、大きな反響を呼んでいる。第3弾となる今回は「発達障害という診断名がついていない人々」の苦悩を追った。

困っているのに診断が下りず「自分が悪いのか」と悩む人たち

「生きづらさ」の正体として近年、注目を集めている“発達障害”という脳の特性。今回、30~40代男性を対象に行ったアンケートでもその認知は7割にも上った。さらに「周囲に発達障害が疑われる人がいる」と約3人に1人が、「実際に発達障害を公言している人が周りにいる」と約10人に1人が回答するなど、多くの人にとって、発達障害はもはや縁遠いものではなくなってきている。 Q1 「発達障害」に関する情報を見聞きしたことはありますか? YES 70% NO 30% Q2 職場や家族、友人など周囲に「発達障害」が疑われる人はいますか? YES 31% NO 69% Q3 職場や家族、友人など周囲に「発達障害」を公言している人はいますか? YES 9% NO 91% ※30~40代男性300人を対象にアンケート(’19年1月21日~23日に実施)  しかし、「この認知拡大の中でも見落とされている存在がいる」と、発達障害当事者を多数取材、近著『発達障害グレーゾーン』が話題を集めるライターの姫野桂氏は指摘する。
姫野 桂氏

発達障害当事者を数多く取材する姫野 桂氏

「発達障害の特徴はグラデーション状にもかかわらず、その診断は“クロ”か“シロ”しかない。発達障害には主に3種類(それぞれの特徴は下記)ありますが、マルチタスクが苦手だったり、人とのコミュニケーションの取り方がわからず、悩む方が数多く見受けられます。 しかし、そうやって実際に仕事や日常生活において困っているのにもかかわらず、医者から『傾向はありますが、気にならない程度でしょう』と診断が下りない、いわゆる“グレーゾーン”の層がいるんです。 最終的には医者の裁量次第にもかかわらず、その判断基準が医者によって大きく異なっていることもグレーゾーンを生む一因になっています」  また、姫野氏はグレーゾーンの層は診断が下りている“クロ”の人よりも潜在的に多く、しかも可視化されていないと続ける。 「諸説ありますが、ADHDは10人に1人、ASDは20人に1人といわれています。それにグレーゾーンの人も含めると、かなりの方が広い意味で当事者となるはず。 にもかかわらず、実際に発達障害かと思って受診したものの診断が下りなかった、それならばできないことがあるのは自分の努力不足なのだと悩むグレーゾーンの方が実はとても多いのです。 周囲の人にこんなことが苦手だと伝えたとしても『ただの怠慢』と勘違いされてしまう恐れもあるので、ひっそりと日常に溶け込んでしまっているのでしょう」
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グレーゾーン層の人に寄り添う人の声は
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発達障害グレーゾーン

徹底した当事者取材! 発達障害の認知が広まるなかで増える「グレーゾーン」に迫る


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