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是枝裕和監督、映画デビューは意外と遅かった!? 『万引き家族』でアカデミー賞受賞なるか

『誰も知らない』、『そして父になる』etc. 是枝作品は“家族”がテーマ

『万引き家族』だけでなく、是枝監督の作品から“家族”というテーマを感じる人は多いだろう。実際に映画には、様々な形を持った家族が登場している。  例えば、2004年公開の『誰も知らない』は、巣鴨子供置き去り事件を題材に脚本が書かれ、母親に置き去りにされた子供たちの漂流生活が描かれている。「生きているのは、おとなだけですか」というキャッチフレーズは衝撃的だった。
誰も知らない

柳楽優弥が「カンヌ国際映画祭」(2004年度)で史上最年少の最優秀主演男優賞を獲得し、大きな話題に(画像はバンダイビジュアル発売の『誰も知らない』DVDジャケット)

 2008年に公開された『歩いても歩いても』は、とある家族の日常を切り取った映画で、事件らしい事件は何も起らないが、ディテールが徹底して描かれており、なんでもないやり取りから家族の過去が見えてくると評されていた。
歩いても歩いても

2008年に阿部寛主演で公開された。15年前に亡くなった兄の命日に実家に帰省するというストーリー(画像はバンダイビジュアル発売の『歩いても歩いても』DVDジャケット)

 その他にも福山雅治主演、第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』(2013年)や、鎌倉で暮らす三姉妹のもとに四人目の家族である腹違いの妹がやってくる『海街ダイアリー』(2015年)も、“家族”がテーマとなっている。  是枝監督は「一般の人たちの暮らしに寄り添うようなものを作りたい」と語っていたことがあった。大なり小なり誰もが自分の人生と重ねる部分があるであろう、“家族”という普遍的なテーマを扱っていることが、是枝作品が一部の映画好きに留まらず、広く愛される所以なのではないだろうか。  そして、その「一般の人たち」を深く見つめるきっかけとなった出来事の一つに、番組制作会社時代に手掛けていた、ドキュメンタリー番組演出があったことを忘れてはならない。  ――映画監督デビューからこれまでに、数々の映画祭で賞を取り続けてきた是枝監督。『万引き家族』で昨年「カンヌ国際映画祭」パルムドール賞を受賞した際には、「賞というのは目標にするものではないといつも思っている、これであと20年にくらいはつくりたいなという勇気をもらった」と、コメントを残している。  近日発表予定のアカデミー賞受賞への期待も高まるが、それだけでなく、次はどんな映画を届けてくれるのか。これからも是枝監督から目が離せない。<文/A4studio>
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