更新日:2019年02月26日 13:57
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暴走するアイドル私設応援団「ピンチケ」の実態 なぜ出禁にできないのか?

暴走する私設応援団

※写真はイメージです

暴走ファンを出禁にできない業界事情

 ライブ会場でここまで傍若無人にやりたい放題の彼らが、一体なぜ出禁にならないのだろうか。ライブ運営会社の関係者に取材すると、苦しい胸の内を打ち明けてくれた。 「暴力沙汰を起こしたらさすがに出禁にしますが……。でもある程度は彼らを入れないと、よくも悪くもライブが盛り上がらない。極端な話をすれば、アイドルのライブって、会場のノリや一体感は演者のアイドルではなく、ファンがつくっていると言っても過言じゃない。だから彼らを強硬に出禁とか永久追放はできないんです」  ただ、仮に運営側に出禁にされても影響は限定的だという。 「出禁をくらっても、対バンなら運営会社が違うので参加できる。レコード店の無料ライブも、店側が仕切るので、ほぼ無法地帯です。出禁もある程度の期間が過ぎたら解除されます」(前出のB氏)

無料ライブでも勝手に列を整理し、入場の順番も売買

 さらにインストアなどの無料ライブでも、最前管理組合は金儲けに余念がない。 「彼らは早朝から並び、『管理ノート』と呼ばれるノートを用意して、並んだ順に名前を書かせ、勝手に入場の順番を仕切るんです。でも、こんなノートはいくらでも書き換えられるわけで、お金を払えば、上のほうに書き換えてくれる。もうアイドルファンではなく、タチの悪いダフ屋ですよ」(B氏)  実際に最前管理組合と間近で接するライブ会場の警備員も、彼らはファンではないと話す。 「普通暴れる連中は、アーティストに熱狂し、盛り上がった結果として暴れます。でもヤツらは、俺らと揉めるのもライブの一つみたいなノリがある。ニヤニヤしながらわざと暴れ、それを動画に撮っている。俺らに引っ張りだされると、ヤツらはスター気取り。完全に自己陶酔しちゃってますよ」  実際、現役のアイドルが自身のTwitterなどで、この最前管理組合について苦言を呈することも珍しくないのだが、暴走は一向にやむ気配はない。<取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!2月26日発売号「暴走する私設応援団」より
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週刊SPA!3/5号(2/26発売)

表紙の人/ 欅坂46

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