更新日:2019年03月01日 20:04
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新天皇即位まで2か月。皇太子さまが「お言葉」に込めた思いとは?

皇后は一切公務をしなくてもいい

 これを踏まえて、久能氏は「国民の理解が不可欠」と話す。 「雅子さまが宮中祭祀に参加される回数が少なすぎると批判する方がいますが、年間30回近くある祭儀のなかで、皇后さまがなされるものはそう多くありません。1月1日の早朝に執り行われる四方拝からして、天皇陛下おひとりでなされるもの。男だけと決められている祭儀のほうが多いのです。 一方で、雅子さまは非常にまじめな方なので参加されたときの所作などは完璧。回数が少ないという理由で、皇太子妃としてお務めを果たされていないと批判するのは筋違いと言っていいでしょう。そもそも、皇后としてのご公務について定めた法律はありません。極端な話、皇后は一切公務をなされなくてもいいのです。こうした実情を理解して、温かい目で皇室を見られるのがよいでしょう」  とはいえ5月以降、新天皇皇后両陛下が臨まれる行事ごとは多すぎる。5月26日にはトランプ大統領が来日し、新天皇と会見されることも決定した。そのためか、安倍首相は誕生日前日に皇太子さまと異例の面会を行っている。八木氏は背景に「皇室との距離」があると分析する。 「昭和天皇が療養中だった’88年には当時の竹下登首相が東宮御所の皇太子さまを2回訪問して、新元号についてお話されたと言われています。今回も新元号に関して皇太子さまのご意向を直々に伺いにいった可能性がありますが、皇室との良好な関係を築きたいという狙いが安倍首相にあったとも考えられます。 なぜなら、今上天皇は第2次安倍政権誕生後の’13年の誕生日会見で『戦後、日本は平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法をつくり』と護憲的なお言葉を述べられました。’16年に生前退位に関するお言葉を述べられた際には『象徴天皇』という言葉を繰り返し用い、天皇を国家元首と規定する自民党の改憲草案に対するカウンターでは?とささやかれました。安倍政権と今の天皇陛下との間には少なからず溝があるのです」  本当に政権と距離があるかどうかは定かでないが……陛下が平和を願い、ご公務に取り組まれてきたのは間違いない。昨年12月の最後の誕生日会見でも、言葉を詰まらせながらも「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています」と述べられたのは記憶に新しい。残すところ2か月、新天皇皇后両陛下のもとでも平和が続くことを祈りたい。 ▼長年携わってきた災害や貧困対策にも関わる「水」問題 皇太子さまは会見で、「水」問題を即位後の公務の一つに据える考えを示された。近年日本を襲う豪雨災害や台風、津波などにも言及。「災害救助や復旧・復興の折に示された絆とも称される助け合いの精神」に人々のやさしさや強さを見たと述べられた。今後は「水」問題への取り組みで得られた知見を生かしていくという 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社
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