「東京チカラめし」が100店から8店舗に激減、牛丼3社に負けた理由。「牛丼太郎」も
「従来の“煮る”牛丼と異なり、“焼く”という作業はスタッフひとりひとりの練度が必要になりますが、規模の拡大スピードに教育が追いつかなかった。結果、品質がキープできず客離れが起きたという面もあると思います」(フードアクティビスト・松浦達也氏)
現在はわずか8店舗を数えるのみとなるわけだが、調理マニュアルとスタッフ教育が見直され、料理のクオリティは良化されている。「牛丼激安戦争」に参入した当初の値段は280円だったが、無理のない価格に再設定したことも大きいようだ。ユーザーも、安易に「激安」に飛びつくわけではないのだ。
運営会社から取材申し込みの返事がないため記者が突撃取材した新宿西口1号店は、夕食ピーク時を過ぎた22時ごろにもかかわらず盛況だった。場所柄もあり、20代の学生風グループや水商売系の男性数人連れが目立つが、30代、40代のサラリーマンの姿も少なくない。食後に店外で直撃してみた。
「昔は脂でギトギトのイメージがあったけど、最近は普通においしいガッツリ系メシだと思ってます。一人で夕食を取るときに重宝しています」(42歳・サービス業)
健康志向が過熱状態の昨今では、確かに大規模チェーンとしては厳しいが、モツ鍋やスープカレーのように、「焼き牛丼」がたまに食べに行きたくなるグルメになる可能性はいまだに消えていない。
<チカラめしの反転攻勢>
無理のない価格設定にし、安定した味とサービスを提供
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